47隠さないで ページ7
気まずい空気の中、私は涙が出そうになった。
もう、やめたい。
こんなのなんにもならないよ。
私はそっと兄様に歩み寄った。
『もう・・・・いいです。兄様。』
私の言葉に、兄様は驚き、空しい顔をした。
『私はもうこんなことしても、許しますから。』
だからもう、こんなことやめて。
すると兄様は、私の肩に手を置いた。
兄「そうか・・・・・すまないな。」
私の言うことを肯定するように言った言葉は、なぜだか空しく聞こえた。
すると、安心か、哀しみか、空しさか、憐れみか、色々な感情の混ざった気持ちがはち切れそうになり、変わりに目から溢れだした。
銀「おっおい、A・・・・・」
ギンも心配するように私に歩み寄った。
二人の優しさが、私の流れる水を増幅させた。
兄「Aは、そんな風に思ってくれていたのだな。」
銀「・・・・・・・・何があったんだ?」
二人の言葉を解釈するのに、きっちり10秒かかった。
流れる水を手で押さえながら、私は二人の方へ顔を上げた。
『・・・・・・・・・・・・・・ありがとう。』
____________________
私は、掠れた声で、今まで隠していた事を全てギンに打ち明けた。
この国で騙されていたことも、虐待されていたことも、そこでギンに出会えたことも。
時折兄様はフォローしたり、初耳だと驚いていた。
ギンも、ずっと黙って聞いてくれていた。暖かい目で。
話し終えると、二人は暗い顔をしていた。
兄「そんなこともあったのか・・・・・」
銀「・・・・・・・すまねぇな、気づいてやれなくて。」
二人の言葉は、むず痒く心に刺さった。
銀「なら、俺達が出会った時のAは、虐待されて、逃げてきた後って訳か。」
通りで傷が不自然でおかしいと思った。とギンは顎に手を当てた。
『うん。だから、ギンに出会えたのは奇跡だよ。出会えなかったらどうなってたんだろ・・・。』
あの頃の苦しみから解放してくれたのはギンだった。
生きる力と大切さを教えてくれたのもギンだった。
あの頃の事を体は覚えていたのか、思い出す前も、なぜだかギンが信頼でき、安心できた。
私はもう一度二人を見た。
私には、もうなにも怖いものなんて、ないのかもしれない。
ラッキーアイテム
宇宙船
ラッキーカラー
あずきいろ
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
ラッキーキャラ
土方十四郎
36人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あゆ隊長。(プロフ) - 山乙女 桜さん» 多分おそらくきっと(保証なし (2018年9月5日 19時) (レス) id: d013743546 (このIDを非表示/違反報告)
山乙女 桜(プロフ) - あゆ隊長。さん» 多分とおそらく多くね!? (2018年9月5日 19時) (レス) id: c43285d175 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ隊長。(プロフ) - 山乙女 桜さん» ということでおねしゃすです↓↓↓↓↓↓↓( ´_ゝ`) (2018年9月5日 18時) (レス) id: d013743546 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ隊長。(プロフ) - メイド長達が諦めない訳はこのあと出てきます(多分)兄が処罰しないのは優しさと他の理由はこのあと出てきます(多分おそらく)書くつもりなんだけどゴチャになってしまったから、最後の方でしっかりまとめる(多分おそらくきっと) (2018年9月5日 18時) (レス) id: d013743546 (このIDを非表示/違反報告)
山乙女 桜(プロフ) - あゆ隊長。さん» メイド長たちが何で虐待を諦めなくて、兄であるはずの王がそれを処罰するでもなく揉み消したのか。 (2018年9月5日 18時) (レス) id: c43285d175 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あゆ隊長。 | 作成日時:2018年6月26日 18時