【ジェル】王子達に好かれてしまった【るぅと】

8 ページ8

・




黄色い王子はニコッと笑って言う。


「なっ！？！？あああああんたAあんた呼ばれてええっ！？Aがってえぇるぅと君かっっこよ」


そして早々に裏切る私の友達。



「も、望月さん…るぅと様がお呼びなさってるわよ！早くお行きなさいな…」



隠れてる私をお構いなしにおもっきし大声で目を合わせて言う学級委員長。



チラッと黄色い王子の方を見ると、目が合って。

ニコッてしたかと思えば一瞬だけ真顔になって、そしてまたニコッと微笑んだ。




見た！？見ました皆さん！？！？

あの黒い真顔！！全王子ファンに見てほしいわこっわいんだよ！！


『呼びましたか』


そりゃ出るしかないってんだよね！！



「ぁ…えっと…ちょっと人に聞かれたら困るっていうか…その…」



王子は若干目を泳がすように言った。




いや怖いって…………

ほんとにこのひと昨日「見て分かんない？」とか言ってた人なの？？

なんでそんな女子ばりの可愛さが表現できるの？？パンダなの？？ねぇ？？



『場所、変えましょうか…』



もはや「言え」って言われたような気がしたので言わされる。私が言ったんじゃない。言わされた。



「そうしてくれると助かります…！」



パァッと明るい顔を作って言う。

なんかもうたまにいるぶりぶりしてる女子にしか見えない……

それなのに顔カッコいいってそりゃモテるのにも頷けるね。



チラッと教室の方を見ると、友達が菩薩のような顔をしてこっちを見てた。

いや正直ごめん！！！でも私こんなの望んでないんだよ！！むしろ代わってほしいくらいだから！！



まぁ気のせいだとは思うけど、もう一人の王子もこっちを見たような気がした。



**



「で？当然誰にも言ってないよね？」


机の上に座って、王子が言う。



『もちろんでございます』




結局第二理科準備室まで連れてこられた。遠かったです。



王子は「あっそ。」と言うと机からおりて準備室の鍵を閉めた。


『な、何故お閉めに…？？』


「ん？だって、逃げるかもしれないじゃん。」



逃げられねぇよ！！！！(キレ)

逃げたらそこら辺の女子に「おいてかれましたぁ」って泣きつくんでしょ！！そんなんいじめられるわ！！！私が！！！


鍵を閉めた王子は、歩いて私がいる方に向かってくる。

ははっ、デジャヴだ！！分かってるよ、後退りしてもどうせ…


ドンッ



ほらな！！壁！！！

ちょっとは私の気持ちも考えてくれよ壁！ア○ギフあげるからさ！！！

9→←7

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す