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私が頭を抱えていると、お母さんはポンッと手を叩いて言った。
「あなたたち、一緒に寝ればいいじゃないの!」
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この人何言ってんの??
名案!みたいな感じで言ったけどそれ今まで出た中でいっちばん酷い案だよお母さん!!!
『あの…お母さん…我々の年を考えてください…』
「高校生ね!ピッチピチの16歳ね!」
うんそうだよ!!高校生だよお母さん!!!
『いや「高校生ね!」じゃないよ!!!なんでそうなんの!?普通「そういうお年頃だし流石に…」ってなるでしょ!!』
いやまぁさとみ君に限ってそんなことないとは思うけどさ!だって今もバナナ食いてぇなとか思ってそうだもん!!完全にゴリラじゃん!!
「いやいや、さとみ君に限ってそんなことないでしょ?」
「まぁ…俺は別にいいんだけど」
良かないよ………なんで反対しないの……なんか私が一方的に酷い奴みたいじゃん……ねぇ………
「ほらぁ、さとみ君もそう言ってるんだし。
それにA、ダブルベッドじゃない。良かったわぁ!こういうときのためにダブル買っておいてー!」
もう私達が一緒に寝ることは確定事項なの??いつも通り私に拒否権は無いのね??泣くよ??私泣くよ??
ヴァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!(怪物)
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『ほんっとそれ以上寄ってきたらグサッてやるから』
「寄りません寄りません」
両手を胴の前に持ってきて庇うようなポーズをするさとみ君。
正直今日はほんとに疲れた。
今日の放課後のことを思い出す。
あんな怖い思い、もうしたくない。思い出すだけで背筋凍る。
るぅと君が来てくれなかったら、と思うと…想像するだけで怖い。
そりゃ気持ちは嬉しかった。でも知らないんだよ私、その人のこと。
会ったことあったかな?確か、「僕とAの出会いはささいなことかもしれないけど…」って言ってたよね。
…ダメ、何も思い出せない。
「おやすみー。」
『あ、うん…おやすみ。』
お互い背中を向けて寝る。
今日こんなことがあってすやすや眠れる程、私は強くない。
眠りたい。眠たい。
けど、未だ抱き締められた感覚が残ってる。
不安になって毛布をギュッと握ると、その人の声が聞こえてくる気がするんだ。
『〜っ、』
自分がこんなに弱いと思わなかった。
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「…やっぱなんかあったでしょ、今日。」
ほんと、鋭いなぁ。
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日 - ギャグ混じりやん。。。www好きぃwwww (2022年9月17日 18時) (レス) @page46 id: 0464914362 (このIDを非表示/違反報告)
薔薇 - 凄いおもしろかったです!個人的になんかさとみくんがおもしろくて好き…www (2020年10月17日 23時) (レス) id: 59e14c9c3d (このIDを非表示/違反報告)
きゅーり - おもしろかった (2020年9月12日 10時) (レス) id: a394905174 (このIDを非表示/違反報告)
くまくまちゃん(プロフ) - んー、この小説好きやわ。小説というか作者さん好きだわ! (2020年4月9日 10時) (レス) id: 5e524d6ee1 (このIDを非表示/違反報告)
くまくまちゃん(プロフ) - 壁ドゴンw (2020年4月9日 10時) (レス) id: 5e524d6ee1 (このIDを非表示/違反報告)
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