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咄嗟に名前を呼んだのがるぅと君だった。
なぜるぅと君を呼んだのが分からない。
ただ助けてほしかった。誰でも良かったって言ったら嘘になるけど。
「…ざけんなよ」
だからこそ、いつもとは違って口悪いし、目付きも悪いのに、
すごいかっこよく見えたんだ。
『るぅと、君…』
るぅと君は私とその人を引き離した。
その人は反動から地面に尻をつく。
「…なんでAちゃんは、るぅと君が来て喜んでんのかな」
『ぅっ…』
睨まれる。
思わずあとずさって、るぅと君の後ろに隠れる。
るぅと君は驚いてるようだった。
「ふざけるのも大概にしてよ。
…ころちゃん。」
ころちゃん、と呼ばれた青色の髪のその人は笑った。
「ははっ。」
とても乾いた笑い声だった。
そのあとすぐまた怖い顔になる。
「ふざけてんのはそっちでしょ。
楽しい?僕とAちゃんの邪魔して。」
「どう見ても嫌がってるでしょ。むしろこっちが聞きたいね。Aのこと怖がらかして楽しいの?」
るぅと君は私のことを庇うようにして言う。
「は?嫌がってる…?
そんな訳ないじゃん。だって僕とAちゃんは…」
「告白した人と告白された人。それ以上でも以下でもない。
それに、Aは僕と付き合ってる。勝手に勘違いしたみたいだけど、これは紛れもない事実だから。」
るぅと君に手を繋がれる。
俗に言う恋人繋ぎというやつだ。こんな状況さえなければドキドキしていた。
「はははッ!!Aちゃんとるぅと君が?付き合ってる?
意味わかんないんですけど。」
ころちゃんと呼ばれたその人は、一瞬怖い顔をして、また私のほうをみて笑った。
優しい笑顔だった。
「ねぇ、Aちゃん。さっき彼氏がいるって言ってたけどさ。ほんとにるぅと君なの?連絡先も知らないし学校でも全然話してないるぅと君が?」
「ッだから、さっきから何度も言って!」
「るぅと君には聞いてない。
僕はAに聞いてんの。」
もう怖すぎて何も考えれなくなってくる。
なにか考えなきゃ、この状況を打破するにはどうしたらいい。
そう思う程、考えがまとまらない。消えていく。
ふと、るぅと君の方を見た。
るぅと君は唇を強く噛んで、青い人の方を見ていた。
こんなに焦っているるぅと君は見たことがない。いつも冷静で、余裕のある人だと思っていた。
ジェル君王子がるぅと君に強く言えないように、るぅと君からしても、この人は強い存在なんだ。
「ねぇ。何とか言ってよ。」
…。
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日 - ギャグ混じりやん。。。www好きぃwwww (2022年9月17日 18時) (レス) @page46 id: 0464914362 (このIDを非表示/違反報告)
薔薇 - 凄いおもしろかったです!個人的になんかさとみくんがおもしろくて好き…www (2020年10月17日 23時) (レス) id: 59e14c9c3d (このIDを非表示/違反報告)
きゅーり - おもしろかった (2020年9月12日 10時) (レス) id: a394905174 (このIDを非表示/違反報告)
くまくまちゃん(プロフ) - んー、この小説好きやわ。小説というか作者さん好きだわ! (2020年4月9日 10時) (レス) id: 5e524d6ee1 (このIDを非表示/違反報告)
くまくまちゃん(プロフ) - 壁ドゴンw (2020年4月9日 10時) (レス) id: 5e524d6ee1 (このIDを非表示/違反報告)
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