第18話:昨日 ページ20
______太宰side
今日は珍しく早めに探偵社に向かった。
昨日Aは帰ってこなくて、もしかしたら誘拐でもされたのではと、乱歩さんに聞いてみたけれど、
「大丈夫。危険な目にあってるわけじゃない。明日話してみなよ」
と、それだけ言って電話は切られた。
乱歩さんが言うんだから大丈夫。
それでもやっぱり心配だった。
だから早く来たのだけれど、社内に入ってもAの姿はみえなかった。
私は書類を片付けながらAを待つことにした。
ｶﾞﾁｬｯと音がして扉が開く。
『おはようございます』
Aだとわかった瞬間、私はｶﾞﾀﾝと音を立てて立ち上がる。
太「A！！」
Aは私の方を見て小走りで近寄ってくる。
私の前で止まった時にフワッと香った匂いに、喉の奥がﾋｭｯとなった。
___どうして君から
『昨日はすみませんでした。ご飯とか大丈夫でした？……あの、太宰さん？』
太「……帰るよ」
そう言ってぐいっと腕を引っ張る。
『え…？ 痛っ……太宰さん！？』
国「おい太宰！」
乱「国木田。行かせてやれ」
国「乱歩さん！？何故ですか！？」
乱「これは二人の問題だから」
国「…乱歩さんがそう言うなら……」
心の中で乱歩さんにお礼を言い、Aの腕を引いて家まで向かった。
家に着くと、Aを乱暴に私の部屋に入れる。
『きゃっ！あ、あの太宰さん！？』
太「説明して」
『え…？何を…ですか…？』
太「昨日何で帰ってこなかったの。…何で……中也の匂いがするの…」
喉の奥が苦しかった。
きっと私は今ひどく泣きそうな顔をしているのだろう。
『ぁ……き、昨日…ごめんなさい。あの後、太宰さんの後ついて行きました。そしたら…キスしてるとこ…見ちゃって……ｯ…ごめんなさ…』
声が震えながらも必死に喋ろうとしている彼女を見てなんだか冷静になった。
___私のせいだったのか。
その後のことはなんとなく察した。
太「家に帰れないでいたところを中也に会って泊めてもらった。かな？」
『はい…そんな感じ…です』
私はAの前にしゃがんで頬に触れた。
ﾋﾞｸｯとして少し怯えたようにこちらを見るA。
太「ごめん。怖がらせるつもりはなかったんだ」
そう言って少し微笑むと、彼女は強張らせていた表情をﾌｯと緩め、泣きそうな顔で笑った。
それがあまりにも可愛いくて、私は思わずAにキスをした。
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アミ - 更新おめでとう御座います!太宰さんと夢主ちゃんが幸せになることを願っています!更新頑張ってください! (2020年4月21日 11時) (
レス) id: 808cf034c3 (このIDを非表示/違反報告)
水月(プロフ) - アミさん» ありがとうございます！頑張ります(^^) (2020年4月8日 16時) (レス) id: b463e0700f (このIDを非表示/違反報告)
アミ - すごく面白かったです!更新頑張って下さい! (2020年4月8日 13時) (レス) id: 808cf034c3 (このIDを非表示/違反報告)
水月(プロフ) - あげはさん» わあぁそうなんですか！ありがとうございます。頑張ります！ (2019年6月21日 21時) (レス) id: b463e0700f (このIDを非表示/違反報告)
あげは(プロフ) - (っω<`｡)ドキドキです。大好きな作品で毎日続きを頭で気にしながら過ごしてます。頑張ってください。 (2019年6月20日 19時) (レス) id: b629904c03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水月 | 作成日時：2019年6月10日 20時
