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「…申し訳ございませんでした。」
私は今、
抑圧された感情をグッと堪えている。
リーダーと、師長に深々と頭を下げるも
上から淡々とキツイ言葉を投げられる。
「なんで確認しなかったの？」
「…申し訳ござ」
「なんでか？って聞いてんの。」
やってしまったのだ。
大きなミスを。
ある患者様の
決まった時間に薬の投与をしなかった。
「なんで？忘れてたの？」
「……」
「早く言いなさいよ！！」
師長に大きな声で怒鳴られ、
私はビクッと跳ねる。
忘れてた理由…
それは…
私はチラッとリーダーの顔を伺う。
すると目を露骨にそらされた。
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私の目の前で腕を組むリーダーに
朝の投与はいらないと指示を受けました。
それが理由です。
と正直に言ったらどうなりますか？
「私の確認不足でした。改善策をまた報告します。」
「…ちっ。2年目でしょ？しっかりしてよ。」
「申し訳ございません。」
「レポート。今日中に提出しなさい。」
勿論、そんな事は言わないけど。
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このようなミスは新人時代に沢山やらかした。
よく怒られて、沢山泣いた。
今はさすがに泣かないけれど、
ミスをするたび大きく落ち込む。
今回も、結局最終確認を怠ったのは私。
ミスはミスなのだ。
でも、リーダーは？
反省しなくていいの？
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「…はぁ。」
永瀬『……』
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あのリーダー、ほんと根性腐ってる。
自分のミスも認めず人には大口叩いて
師長の前でぺこぺこしやがって…
永瀬『…なぁ。』
あいつのさっきの顔見た？
しかも大きな態度で腕組んでやがったよ。
あんたもミスしてんだろ。
先輩後輩関係ねぇーーだろって！！
こんのやろう…
永瀬『…なぁって。』
絶対許さない。
あの人他でも絶対ミスしてるよ。
隠蔽してるに違いない。
きっとそうだ。絶対に、
永瀬『Aってば。』
「へっ！？」
永瀬『……』
じーーっとこちらを覗いて見ている永瀬さんと
ようやく目があった私。
「…あ、ごめんなさい。どうされました？」
永瀬『いや、…どうされましたって…』
「ん？」
分かりやすく困った顔をして
私の手元を見ている永瀬さん。
.
永瀬『俺、…右手は大丈夫やねんけど。』
「……」
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作者名：ayu
| 作成日時：2020年10月19日 11時
