～幼馴染と私～【永瀬廉】２ (ページ6)

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綺麗な花火が次々と空に上がっていく様を

私も廉もどこか浮かない表情で静かに眺める。

あーあ。

花火が上がる前に言いたかったのに。

廉の馬鹿。

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永瀬『A。』

「話聞いてくれないんだったらもういい。」

永瀬『ちょ、待って違うやん、…怒んなや。』

「じゃあ、なに？」

明らかに私の話を邪魔してこようとするんだもん。

いっぱい、考えてきたのに。

この悲しみを目で訴えるようにして見ていると

廉は何か諦めたような口振りで話し始める。

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永瀬『…俺、用意してへんで。』

「……？」

永瀬『フラれた時の事、考えてなかったから。』

廉は首を触りながら

言いづらそうに顔を歪ませる。

永瀬『お前に期待して待っててとか言われて、

急にキスもされてさ。

もぉそんなん期待するやろ、…普通。

フラれる準備なんか一切してへんのよ、こっちわ。』

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廉は話をしながら、どんどん猫背気味になっていき

そして最終的には下を向いてしまう。

永瀬『でも、急に自信無くなった。』

廉の弱音を吐く姿はなんだか新鮮だった。

いつも私も前では態度も大きいし

いたずら好きで意地悪だし

人を怒らせる天才のような人だもん。

「廉、手貸して？」

永瀬『…なんで？』

「いいから。」

恐る恐る差し出された廉の手を取り

細いけど大きな手を、私はじっと眺めた。

「もう何から伝えていいのか分んなくなった。」

永瀬『ごめん。』

「…ふふふ。もういいよ。」

廉の手を優しく包み込む。

私は

ずっとこの手に触れられるたびに

ドキドキしていた。

どんどん大きくなっていく廉の手を

逞しくなっていく廉を

誰にも渡したくないって思ってた。

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「私、廉が好き。」

永瀬『………』

多分、もうずっと前から。

自分でも気付かないように、

何も想ってないフリをして平然を装うけど、

でも、決して離そうとはしないの。

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「…好き。」

永瀬『……』

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隣に顔を向けると

眉を下げて何とも情けない顔をした廉が

私をじっと見つめている。

「…ふふ、凄い顔。」

永瀬『…で？』

「…え？」

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廉は私の両肩に手を置いて

永瀬『…俺は、お前と付き合えんの？』

不安が残ったままの茶色い瞳が

真っ直ぐにこちらを捉えた。

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