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永瀬『落ち着いた?』
「…落ち着いた。スッキリした。」
平野『久しぶりにこんなに泣いた俺。』
永瀬『紫耀は泣き過ぎや。』
俺だけ置いていかんといて。
とちょっとだけ不服そうに笑う廉。
廉も泣きそうだったじゃん。
と意地悪な笑みを浮かべる紫耀。
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「…ありがとうね。」
永瀬『…ん。』
平野『…うん。』
と、いい雰囲気に浸っていた時だった。
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“誰だぁ!!勝手に忍び込んでるやつわぁ!!”
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あ、バレた。
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永瀬『…ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい』
平野『お前らサングラス!はい!』
「えっ!?な、なな、なにこれ」
平野『顔隠すためだよ、ほら早く!』
用意周到だな…と
きっと廉も同じ事を思ったであろう。
だがそんなツッコミをしている余裕はない。
紫耀に渡されたサングラスを言われた通りかけて
完全に極悪人スタイルとなった私達。
そんな事をしているうちに先生らしき人は
プールサイドに上がって来てしまい
もう、ここからは必死で逃げるのみ。
“こら!!逃げるなお前ら!!”
大声で怒鳴られながらも
紫耀に着いて行くように
プールサイドをぐるりと一周回る。
しかし、
男2人の全力疾走に
私がついて行けるわけがなかった。
後ろからどんどんと迫り来る先生。
だめだ、
私だけ捕まるパターーーーン……
と思いきや、
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永瀬『A!!』
「わっっ!!」
永瀬『ごめん引っ張るで』
「う、うん!!」
廉が私の元へ戻って来てくれた。
強めに私の手首を引いて走る廉の後ろ姿は
まるでスーパーヒーローだった。
もの凄いスピードで
先生との距離を作り
平野『ほい!A、俺の手捕まって!!』
「はい!」
永瀬『ちょ、A後ろから持ち上げんで』
「あ、ありがと!」
紫耀と廉に支えられながら
行きと同じ壁を飛び越えていく。
“待てぇーーーー!!!!!”
ヤバい。
近づいてきた。
あとは、廉。
早く!
早くしないと捕まっちゃう!!
平野『廉!!捕まって!』
「れん、…廉早く!!」
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廉、早く!!
廉…!!
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作者名:ayu | 作成日時:2020年10月8日 14時