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平野『えっ…』
永瀬『A?』
目の前の視界が歪んでいく。
ずっと我慢していた。
寂しいという素直な気持ちが
一気に込み上げてきて止まらなくなった。
2人に囲まれて歩く帰り道も
2人と過ごす休み時間も
2人と席の近い教室も
放課後のプールも
テスト前にする勉強会も
全部、
全部無くなっちゃうんだ。
「……っ………っ……っ…」
最後は笑って楽しもうと決めていたのに。
3人で思い出話に花を咲かせようと思っていたのに。
「…すぐ…泣き止む…から…っ……」
永瀬『……。』
平野『……。』
私は顔を見られないように下を向きながら
ポロポロと溢れる涙を必死で拭き取った。
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2人は私が泣き止むのを黙って見守る。
きっとどう声をかけていいのか
分からないのだろう。
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すると突然
トントンっと私の左肩を誰かが叩く。
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ふと、そちらに顔を向けると、
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「…え、…」
永瀬『えっ!?お前も!?』
平野『…だぁぁってぇぇーー……我慢してたのにぃ』
いつの間にか
鼻水まで垂れ流しの状態で
紫耀は大いに泣いていた。
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平野『…貰い泣きしちゃうじゃーーん…ぅ〜…』
「…し、紫耀…ごめん……」
平野『…ぅおん…おんおん…ぅぉおおおん…』
永瀬『特殊やね。泣き方。』
紫耀は、
泣きながら私を抱きしめてくれた。
平野『…なぁあんで名古屋なんて行くんだよぉ〜』
永瀬『うん、お前ら一回離れよか。』
「紫耀ーーーー…私も行きたくないよぉーー!!…」
永瀬『Aも離れよ。嫉妬しちゃうから俺。』
ギュッと2人で抱きしめながら
ずっと言えなかった思いを言い合った。
廉は隣でずっとアタフタしていた。
だけど、最後には諦めたように
永瀬『ああー、もう。俺も入れろ!!』
「…れぇええーーーーーんーー!!……」
平野『…ぅぅおおおおおおおんんんーー!!』
永瀬『紫耀それわざとやろ。なんや、うおおんって』
3人で抱きしめ合いながら
夜の学校に侵入しているなんて事も忘れて
大声で泣き叫んだ。
「…絶対会いにきてね。」
平野『勿論行くよ。…絶対行く』
永瀬『……行く。』
「…うん。絶対。」
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作者名:ayu | 作成日時:2020年10月8日 14時