～幼馴染と私～【永瀬廉】 (ページ20)

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平野『はいっ！はいはいはい！！』

永瀬『はい紫耀。』

平野『受動態！！』

永瀬『ふふ、それ英語や。今やってんの数学やろ。』

“もう分っかんなぁ～い俺”

そう言って頭を抱えている紫耀と

それを見て呆れたように笑う廉。

そして、

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「…ったぁ！！…なにすんのよ！」

永瀬『なんしての、お前。』

ただボーっと二人を眺めていただけの私に

突然、教科書の角が頭を突いてきた。

普通、教科書の角で頭を叩くかね。

「めっちゃ痛いんだけど。」

永瀬『角やもん。そら痛いわ。』

悪意しか感じられない廉の顔を

私は頭を押さえながら睨み付ける。

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＿＿もう我慢すんの辞めるわ俺。

昨夜の廉の言葉が

頭にこびりついて眠れなかった。

その言葉の意味を一晩中考えて、

次どんな顔をして廉と会えばいいのか

我慢するのを辞めたらどうなるのか

もう、本当沢山考えていたんだけど

永瀬『頭悪いねんからボーっとすんなアホ。』

「…はぁ？紫耀よりかは頭良いし。」

平野『おい、俺の目の前で悪口言うのやめろ』

何も無かったかのように

廉の部屋で、紫耀と私と三人で

今テスト勉強をしている。

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今までとなんら変わらない空気に

私は、とてもホッとした。

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平野『A、それ取って。』

「ん？」

平野『それ。』

「ふふふ、えっ、どれ？」

私の座っている横に沢山置いてあるお菓子。

そこを指差す紫耀に、

どのお菓子？

と聞いたんだけど

平野『…もお、コレだってば』

「……っ！！」

紫耀はグイッと私に身体を寄せて

自分の好きなお菓子を手に取った。

そして紫耀は、

私と身体を密着させたまま

お菓子の袋を開け

平野『食べる？』

「………」

紫耀って、

こんなに距離感音痴だったっけ。

私のすぐ目の前に紫耀の顔があり

思わず身体を仰け反る。

「……紫耀、近い。」

平野『食べない？』

「…い、要らないかな。」

平野『あそ。』

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無意識なのか。

紫耀は至っていつもと変わらない表情で

また少し離れた所に胡座をかいて座り直した。

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