～ネコ日和～【永瀬廉】２ (ページ35)

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「顔、上げてよ廉。」

永瀬『いやや。』

髪色も身なりも変わっていたけど、

でも、あの時のまま。

「結婚…の前に、段階は踏まないの？」

永瀬『段階ってなに。』

「…廉、誰かと付き合った事ないの？」

永瀬『特定の子とかは無い。』

「うわーー…、嫌な男。」

永瀬『うっさいわ。』

どこか子供っぽくて、

「…私は、…まず廉の彼女に…なりたいです。」

永瀬『………っえ？』

猫みたいに気まぐれで、

甘えん坊で、

「…それじゃ、…ダメかな」

永瀬『ダメじゃない。』

「…ふふふ、即答。」

永瀬『俺と付き合ってくれんの？』

「…うん。」

無邪気で、賑やかな廉は、

あの時と全く変わらない。

永瀬『マジ？ほんまに言うてる？』

「本当だって。」

永瀬『……。』

よっしゃーーーーー！！

と、急に大声を出す廉を

慌てて押さえつける。

「…ちょ、あんまり目立った行動しないで！」

永瀬『あ、本間やごめん、つい。』

「ふふふ…、ほんと変わらないね、廉。」

永瀬『んふふふ、どういう意味や。』

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～♫

すると廉の携帯が鳴り

少し怪訝な顔をして電話に出る。

永瀬『はい。…おん、分かった。…はーい。』

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そして一瞬で終えた電話。

永瀬『もう、行かなあかんわ。』

「…仕事？」

永瀬『うん。』

これから、どうするんだろう私達。

廉もきっと今、

同じ事を考えているのか

ジーッと私を見つめて

永瀬『さすがに、もうLINEできるよな？』

「え？うん。」

さすがに携帯がないと

ここではやっていけないからね。

永瀬『携帯貸して。』

「え？」

永瀬『ID登録するから。』

「あ、はい。」

私はポッケから携帯を出して

廉にそれを渡しかけたが、

「…あ！…やっぱダメ！！」

永瀬『は？なんで？』

「私が廉の携帯で登録する。」

永瀬『どっちも一緒やろ。早よ貸して。』

「やだ、…あ、ちょ！…廉！！」

無理矢理、携帯を奪われて

私は顔を真っ赤にして下を向く。

永瀬『なぁ。』

「……。」

私は勢いよく立ち上がり

廉から逃げるようにお店の中に入った。

でも、

お店の中で廉に腕を掴まれて

永瀬『…んふふふ、このホーム画面なに？』

「…別に。」

そして

ゆっくりと腕を引き寄せられて

一気に廉の身体に包み込まれた。