～ネコ日和～【永瀬廉】２ (ページ34)

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目に浮かんだ廉の涙は

こぼれる事は無かったけれど、

それだけで廉の熱い想いが伝わってきて

もう、何も聞かなくてもいい気がした。

お互い、あの時のように静かに見つめ合う。

でも、

廉は突然視線をそらして

恥ずかしそうに口を開いた。

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永瀬『…この花言葉なんやったっけ。』

「…え？」

永瀬『もう一回教えて。』

廉はキャップを外し、

金色の髪をクシャクシャッと無造作に掻いた。

照れた時にする廉の懐かしい仕草に

胸がまた熱くなる。

「… あなただけを見つめています。」

永瀬『……。』

それを聞いた廉は少しの間、黙り込む。

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そして廉は何か覚悟を決めたように、

ゆっくり大きく息を吸い込んで、

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永瀬『A。』

「はい。」

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眉間にシワを作り

廉は私を真っ直ぐに捉えて、

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永瀬『俺と、結婚して下さい。』

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………。

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「…結婚は、ちょっと…無理です。」

永瀬『…は？』

「…え？」

永瀬『…え？』

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いろいろと話が飛びすぎて驚きを隠せない私と、

ポカンとする廉。

永瀬『俺と結婚して下さい。』

「いや、だから無理です。」

永瀬『え？』

「え？」

思ってた流れと違うかったのか

廉は私の両肩に手を置いてもう一度、

永瀬『俺と結婚して。』

「だから無理。」

永瀬『ちょ、え？なんで？』

「なんで？逆になんで？」

いきなり結婚は、さすがに…

永瀬『この展開は俺、予想してなかってんけど。』

「…私も。」

永瀬『…いやいや、さっき泣いてたやん。』

「…それとこれとは。」

すると廉は、私に背を向け

自分の膝を抱きながら縮こまり、

永瀬『…そういう雰囲気やったやん…え、待って…

…え、俺フラれたってこと？…もう終わったん？

…こんなに好きやのに？…無理どうしたらええの…

待って待って…俺フラれた事ないから分からん…』

最後の一言は余計だな。

ぶつぶつぶつぶつ

下を向いて自問自答をし始める廉。

「ね、ねぇ廉ってば。」

永瀬『やめて思わせぶりは。』

「…そうじゃなくて、」

永瀬『…俺だって傷つくのよ。』

なんか、懐かしいな。

廉って、そういえばこんなんだったな。

出会った時も。

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