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ー 2年後 ー
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「イネ〜、ご飯の時間だよぉ。」
都内にある、小さなアパート。
村にいた時とは違って
常に周りには人を感じられて
そして今、私の目の前には
「…よしよし」
グレーと茶色が混ざった猫の、イネが居る。
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東京に連れてくる予定は無かったんだけど、
村を離れる時に、後ろからトコトコ着いてくるイネを
どうしても置いて行けなくて…
「出て行きたくなったら、行ってもいいからね。」
と、小さな窓を少しだけ常に開けたまま
イネと私は、村の時とは違う
東京という正反対の環境で自由に暮らしていた。
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私は、都内で花屋を始めた。
開業する為に、
資格取得の勉強、資金集め、物件選びと
忙しい日々を過ごして、
最近、それがようやく落ち着いてきた。
「よし、じゃあイネ。私行ってくるね。」
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照りつける日差し。
東京の夏は、村と違った暑さがある。
人の多さからか、やけにムワッとする蒸し暑さ。
「…今日もあっついなぁ〜」
朝早くに起きて朝食を食べて
お店に着いて夕方まで仕事して
家に帰るとイネが居て
栄養たっぷりの晩ごはんを作って
家でも少しだけ仕事をして、
そして疲れて寝る。
自分のペースで、誰に流される事もなく
好きなように暮らして行く。
今の自分は、嫌いじゃない。
地道にコツコツ
私は私らしく、歩いていけばいい。
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「いらっしゃいませぇー」
この店は、
花以外にも家庭でも育てられる野菜の種や
観葉植物など幅広く仕入れて、販売をしている。
「Aちゃん、この間のトマトなんだけど＿＿」
なのでこうして
アドバイスを聞きにくるお客様も多くて、
「なるほどねぇー、Aちゃんありがとうぉ！」
「ふふふっ、いえいえ。またいつでも来て下さい！」
「また来るわねぇーー！！」
Aちゃん、Aちゃん
とお話をしに来てくれる特定のお客様も増えてきた。
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「トマトって、意外と難しいんだよねぇー。」
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作者名：ayu
| 作成日時：2020年9月19日 1時
