69 Ren side ページ19
ren side…
『お疲れっす、あっ、お疲れ様でぇす。』
「え、永瀬君もう帰るんですかぁ？」
『おん、お疲れ。』
“えぇーもっと喋りましょうよぉー！”
という甲高い声を背中で聞き流して
俺はそそくさと現場を後にした。
『明日って俺何時やっけ。』
マネ「明日8時入りなので、7時半には家の＿＿」
明日のスケジュールを確認しながら
車の後部座席に座り携帯の画面に目線を置く。
『…ふぁー…ねっむ…』
マネ「明日の撮影は順調にいけばいいですねぇ」
『ほんまなぁ。』
顔には出さんかったけど、
あんの女優、全然セリフ覚えてへんやろ。
おかげでクソ時間かかったやんけ。
『ちょ、着いたら起こして。寝るわ。』
マネ「はい。」
.
活動再開してから
数ヶ月しか経ってないけど
人息つく暇もなく大量の仕事が舞い込んだ。
ドラマ、音楽番組、雑誌撮影、取材
それと同時に全国ツアーの真っ最中
まぁ必死ですわ俺も。
瞼を閉じたら瞬殺で眠れちゃう程
充実した毎日。
明日は朝からドラマ撮影と、
音楽番組の収録と、
あとはぁ…えーっと……
なんやっけ忘れた。
寝よ。
.
.
.
『おざまぁーす。』
「あ！！永瀬君、おはようございまぁす」
『………。』
さっき見た気ぃするけどなぁ、この顔。
まぁ、ええわ。
と、
あっという間に次の日の朝になり
ドラマ撮影に入る。
俺が今撮影してるドラマは、
タイミングがええのか悪いのか
とりあえずゴリッゴリの恋愛ドラマよ。
まぁ、前からやってみたいとは言うてたから
初挑戦の俺としてはバッチくそに気合い入っとった。
ただ、
「永瀬君て、普段何してるんですか？」
『んー、別に人に話すに値する事してへんよ俺。』
「え、ゲームするって聞きましたよぉ〜？」
ドラマ撮影をする上で
現場の雰囲気作りは絶対やから敢えて言わんけど、
この女優が若干めんどくさいのよね。
まぁ言うたら俺のヒロイン役やから
一番コミュニケーション取らなあかんねんけど、
「今度ご飯連れてって下さい！！」
『クランアップしたら皆と飲めるよ。』
「そうじゃなくて、…私と二人で。」
『そうゆうのは、事務所通してもらえるかな。』
…ちょっと、いや…
だいぶしんどいっすわ。
.
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作者名：ayu
| 作成日時：2020年9月19日 1時
