～ネコ日和～【永瀬廉】 (ページ13)

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永瀬『Aなにしてんの？』

「んふふ、これはねぇ…えいッ！！」

はしごを使い、木に出来た実を取って、

それを廉に見せてあげた。

永瀬『うわ、なにこれ。グミ？』

「んふふ、グミみたいでしょ？」

永瀬『うん。これ食えるん？』

毎年夏になると出来る赤い実は

よく子供の頃に木登りまでして取ったものだ。

今日は廉と村を散歩する。

白いシャツに短パンスタイル、

そして私の麦わら帽子を勝手に被り

まるで虫取り少年みたいな格好の廉。

永瀬『…グェ…酸っぱぁああ！！え？なんこれ…』

「アハハハハハッ！それ酸っぱいでしょ」

永瀬『え、なんでこんなん俺に食わしたん？』

「んふふ、意地悪だよ。ただの。」

永瀬『んふふふ、おいこら。』

その実をバケツにいくつか入れて

永瀬『…持って帰ってどうすんの？』

「このグミの実、ジャムにしようと思って」

永瀬『ほぉー、すげぇ！なるほどなぁ』

そう言うと、

廉も楽しそうに実を取り出し始めた。

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よし…まずはタネから取って行こう。

うちに持って帰ってきたグミの実を、

一つ一つ丁寧にタネを取っていく。

永瀬『俺もやる』

「んふふ、はい。じゃあ、廉もこれお願い。」

永瀬『はい。』

とても近い距離で

私の作業を食い気味に見ていた廉にも

手伝ってもらう事にした。

赤い実をある程度すり潰し、

砂糖やいろんな物を足して鍋で沸騰させる。

永瀬『なんかでも、…まだ酸っぱそう。』

「怖いの？」

永瀬『いや、あれは普通にビビった。』

あの酸っぱさを思い出したのか

私の隣に立っている廉は、また渋い顔をしていた。

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小さなスプーンで味見を一口。

「ん！いいんじゃないかな。廉も食べる？」

永瀬『食いたい！』

すると廉は、

アーっと小さく口を開けたまま私を見る。

不覚にも、可愛いと思ってしまった。

「子供じゃないんだから。」

永瀬『いいから早く、あー』

「もぉ…はいはい。」

口では面倒くさそうに、

心では、また違った感情で。

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永瀬『…ぇ…旨ッ！…Aすげぇ！』

「ふふふっ、それは良かった。」

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