104 kaito side ページ11
kaito side…
『…あ、もー！！やめなさい！！』
「え、でも」
『変なサイトとか出ちゃってるし、…消してマジ。』
「だって！怖いんだもん！！調べてみたらさ、
女の人の……男の人のが、…あれが、あれで、
あーなって、…」
誰か、止めて。
彼女を止めて。
「…こわい、…怖すぎる…」
『分かった。分かったから変な手するのやめて。』
「海人、……どうしよう、…このままじゃ」
とりあえず不安なんだね。
女の子は、そういう不安があるんだね。
うん、俺もなんか勉強になった。
でも、その。
Aには言えないけど、…廉ってね。
今までは、とにかくその辺にだらしなくて…
そこに愛が有る無いにせよ、
自分の欲を我慢出来るような人じゃ無いの。
と思ってたんだけど。
そんな廉さんが、今は…
永瀬『あぁーー、…めっちゃ並んだわ。腹減った』
トレーに唐揚げ丼を乗せて戻ってきた廉。
なにも知らない廉は、早々に割り箸を割る。
さっきまでの会話がアレだったから、
Aも分かりやすく辿々しい。
「お、おお、おかえり永瀬」
永瀬『…？』
「な、なに食べるの？唐揚げ？」
永瀬『うん！ご飯大盛りにしてもらった！笑』
大盛りにしてもらった、と
Aに子供のような笑顔を見せる廉。
Aにはとにかく全力で気を許し、
見てるこっちが恥ずかしいくらいに廉は柔らかい。
本当に好きなんだね。
好きで好きで仕方がないんだね。
Aを大事にしてるんだね。
お利口にして、ちゃんと我慢してんだね。
俺は何も言わず、
廉の肩に手を乗せた。
.
永瀬『なに？』
『…俺なんか泣きそう』
永瀬『は？なんの話』
『感動話…』
.
A。
そういうのってね、頭で考えちゃダメ。
相手の事を想えば思うほど、
深く知りたくなっちゃうものなんだよ。
それに、廉なら大丈夫。
言ったでしょ？
根は、温かい人だから。
多分、Aの不安は
無意味だ。
.
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作者名：ayu
| 作成日時：2021年2月22日 9時
