～恋するオタク～【永瀬廉】２ (ページ32)

今日:44 hit、昨日:2 hit、合計:398,643 hit

78 ページ32

.

「奇跡！！ねぇ！奇跡だよね！ね！？」

永瀬『んふふ、…そんな嬉しいかぁ～？笑』

髙橋『…これ、本当にたまたま？』

2年の教室には、

去年と変わらず永瀬と海人が居て

私は安心感から飛び跳ねるように喜んだ。

髙橋『廉、…またなんか根回し』

永瀬『ハハッ、やってへんて。別に、前みたいに部活の定員数5から3に下げろとか脅してへんし、今回もAと海人と3人一緒にせぇへんかったら学校潰すとかも言うてへんし、俺は別になんも。』

髙橋『…全部白状するじゃん。笑』

「え、…なに、永瀬って何者なの…」

髙橋『あんま聞かない方がいい』

いろいろ裏で工作はされていたようだが…

結果として嬉しいに変わりはない。

.

始業式が終わると、

私達はいつもの場所へ

髙橋『新入生？募集すんの？』

「勿論！！仲間が増えたらもっと楽しいし」

永瀬『……』

髙橋『……笑』

今日は、新入生募集に向けての看板作り。

大きな看板を教室に広げて

文字や絵を足していく。

しかし、

永瀬『え、いる？俺らだけで良くない？』

「んー、でも人数多い方が」

永瀬『いーや。絶対3人の方がいいって。』

髙橋『ふふ、俺はどっちでもぉ～♫』

永瀬は色を塗りながらも文句が鳴り止まない。

何故か、

どうしても新入生を入れたくない様子。

「どうして嫌なの？」

永瀬『どうしてって言われたら
それは、なんとなくやけど。あるやん、そーゆうの』

「なんとなく入れたくないの？なんで？」

永瀬『…なんでって、……』

首を曲げて私は永瀬を見つめると

永瀬は小さな声で言う。

.

永瀬『……ぇやろ…』

「ん？」

永瀬『だからぁ！………』

「……」

.

.

永瀬『仲良くすんのは』

「……」

永瀬『……別に俺らだけでええやろ』

「……」

それだけ言うと、

筆をパシャンッとバケツに放って

永瀬は教室を出て行った。

.

.

「……」

髙橋『…もぉ、…廉ちぃはお子ちゃまなんだから～』

「……え、怒ったの？あれ」

髙橋『いや、拗ねてる。まぁ申し訳ないんだけどさ、
A、ちょっと迎えに行ってあげてくんない？笑』

「…迎えにって」

髙橋『多分ね、今屋上に全力疾走で向かってるはず』

.