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＿＿心はちゃんと温かい人
.
「………」
永瀬『……おしっ、出来た。見て！』
「……」
永瀬『ん？なんや』
今日のテーマは
“推しのアクリルスタンド作成” だ。
細かい作業に文句一つこぼす事なく
黙々とうち込んでいた永瀬くん。
なんなら出来上がりの達成感とやらも今
彼からは感じられなくもない。
「…いや、……」
永瀬『え、なんかおかしい？これ』
「…そ、そーじゃなくて」
永瀬『…？』
アクスタを片手に持ち頭をコテンと傾けて、
不思議そうに私の顔を見る永瀬くん。
なんだか、今なら勝てそうだ。
この隙しか無いデーモン永瀬に。
私はゴホンッと喉を鳴らし
そして、ストレートに聞いてみた。
.
「もしかして、楽しいの？」
永瀬『……』
.
.
.
すると、
みるみるうちに顔は赤く染め
永瀬くんは椅子から勢いよく立ち上がる。
永瀬『だ、…は！？ア、アホか！要らんわこんなん』
「ち、ちょっと投げないでよアクスタ！！」
永瀬『楽しいわけあるかい！！このボケッ！』
「…だって、…毎日見学だけは律儀に来るから」
永瀬『俺だって別に来たくて来てんちゃうねん』
あらあら。そんな慌てちゃって。
永瀬『画像消せ言うてんのにお前が消さんからやろ』
「だって、…私に意地悪するからでしょ？」
永瀬『意地悪ってなんやねん。冗談や冗談』
「…冗談？」
永瀬『そぉ。』
「……へぇ〜」
下衆な冗談だこと。
.
ここ数日、不本意ながら学校では
一人で居る時間の割合が減ったような気がする。
休み時間になると何故か『A〜』と
�盒兇�んが寄り付いて来るようになった。
授業中は私の斜め後ろ側から
『……バラシタラコロス、バラシタラコロス＿＿』
と永瀬くんから悪魔の呪文も唱えられるし、
放課後になると、
『こないだのライブで俺、思ったんがさ＿＿』
と、熱心にゆうた節を発揮する永瀬くんと
『…飽きたぁ〜、ね、違う話しよーよ？』
と足をぶらつかせて退屈そうにする�盒兇�んが居る。
全部、不本意だ。
でも悔しいながらに最近の毎日は、
少しコクがある。
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作者名：ayu
| 作成日時：2021年1月31日 1時
