16 ページ16
.
「お母さん、学校行ってきまーーす！！♫」
あー、今日はなんて良い天気。
不思議と身体も軽くてスキップが軽快だ。
上を見れば、真っ青な日本晴れ
右を向けば緑の葉
耳を澄ませば
蝉の鳴き声がせせらぎのように聞こえて
.
永瀬『ぉいこら、ツラ貸せ』
「っぐぇ！！…ち、ちちょっ、ぇええ！！？」
学校につけば、激怒デーモンの出迎えだ。
.
.
永瀬くんに後ろから首の襟元を掴まれ、
裏庭まで強制的に連れてこられた私。
「…ちょっ、離して下さい」
永瀬『昨日はやってくれたなぁ、お前。』
腕をくみ、私を見下ろす永瀬くん。
まぁ、相当お怒りなようで。
「……っ、…な、何をする気ですか？」
永瀬『何もされたくないなら携帯見せろ』
「……やだ」
永瀬『ええから、貸せって』
「…だから、やだってば。」
姿形は地味だが、
私の中身はこう見えて執念深い。
負けん気が強く、めんどくさい。
だから戦闘態勢に入る。
いつでも戦えるように
左足を後ろに下げて両手を構え
永瀬『……』
「……」
.
しかし、
じりじりと迫り来る永瀬くんの目は、
まるで死人のよう。
ゆっくりとこちらに近づきながら
彼は何やら左ポケットを漁り始める。
.
こいつ、…
な、な、ナイフ…！？
私の事を…本気でやるつもりか
「…な、永瀬くん？」
永瀬『……』
「あ、あの、ね？話そうよ！へへ…ほら、…！！」
やばい…
とうとう私の背中が壁に張り付く。
どうやらもう、…逃げ道は無いらしい。
絶体絶命のピンチ
そしてついに＿＿
永瀬くんはポケットから、
刺々しいナイフを…
私は瞼をギュッと瞑り、息を止めた
その時
.
「…っ！ごめんなさ」
永瀬『これ、なに？』
「……っ、…」
.
.
瞼の裏が暗くなる。
私は、恐る恐る片目だけを開けて見てみると
永瀬『これ書いたんお前やろ』
「……っ、え、…」
永瀬『KC倶楽部 in hap…って読むん恥ずいわこれ』
「……」
永瀬くんの左手には
ナイフ…ではなく何故か私の書いたポスターが。
目をパチクリさせていれば
理不尽に舌打ちをくらう。
次は、一体どんな仕返しを
永瀬『部員、足りてないらしいやんこれ。』
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1368人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「永瀬廉」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ayu
| 作成日時：2021年1月31日 1時
