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「一人で大丈夫かなぁ、私。」
永瀬『さぁ、どうやろな。』
「もぉ！！そこは、大丈夫って言って下さいよ。」
永瀬『フハハッ、冗談冗談。』
肌寒い、秋の夜空を見上げて
ゆっくりと、時間をかけながら歩く。
「先輩も、寂しい？」
永瀬『普通』
「まぁ、先輩はもう慣れてるか。」
永瀬『……。』
何人もの後輩を
こうして見届けて来たんだもんね。
「あ、…でも。」
永瀬『ん？』
「また来年新しい子、来ますよね？」
永瀬『そうやな。』
やだな。
絶対、嫉妬するもん。
先輩は私のなんだぞぉ！！！って。
しかもそれが女の人だったら…
「先輩…他の人、好きになったらダメですよ。」
まだ先のことなのに
勝手に想像して、不安になった。
永瀬『嫉妬してんの。』
「…はい、すっごく。」
永瀬『んふふ、えらい素直やな。』
先輩は、そう言って
私の手をグイッと引っ張り
自分の方に身体を引き寄せる。
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心地よく先輩の身体に密着すると、
自然と左の腰に手を回されて、
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永瀬『可愛いな。』
「……。」
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チョロい私は、
一瞬で心撃ち抜かれて死にました。
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永瀬『帰るん』
「へ？」
永瀬『だから、このまま帰るん？』
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腰に回された手と、
先輩の視線や声のトーンで
二人の間の空気が一瞬で変わる。
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「帰って欲しくないんですか？」
と、ちょっとだけ意地悪に言ってみると、
それがむしろ先輩の欲心を刺激してしまったようで
チュッと軽いキスを交わされる。
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驚いたように顔を見上げると、
もうさっきまでの先輩とは違う目をしていて。
今度は私の唇を覆うようなキスへと変わり、
次第にそれは深く、濃厚に。
「…先輩、…ここ外…」
永瀬『…このまま帰る？』
「……。」
もぉ…
ここまでされて、
行かないなんて選択肢…あるはず無いじゃん。
素直に家に来てって言えばいいのに。
「…帰らない。」
永瀬『俺ん家来る？』
「…はい。」
永瀬『じゃあ早よ行こ』
「あ、ちょ、そんな引っ張らないで下さいよ！」
突然、
急ぎ足になる先輩に手を引っ張られて、
文句を言いつつも、心の内は全く別で。
私も早く先輩と＿＿
なんて、
恥ずかしくて絶対に言えないけど。
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作者名：ayu
| 作成日時：2020年9月7日 12時
