～先輩の隣は～【永瀬廉】 (ページ38)

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「……」

永瀬『……』

結局、

どこのホテルに連絡をしても部屋が空いておらず

小さなベットと、小さなテレビ

小さな椅子と机だけの

本当、小さなこの部屋を

私達は一通り見渡して、

そして黙り込む。

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永瀬『最悪や。』

「…本当、…すいません。」

永瀬『許さん。』

「…すいません。」

はぁ…と、先輩は露骨にため息をつき

とりあえず、床に荷物を置いた。

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永瀬『どうする。』

「え？」

先輩は、小さな椅子に足を広げて座って

もう諦めたような表情をしていた。

永瀬『風呂。』

ふ…ふ、ふふふ風呂！？

あ、…お風呂

「えっと…」

永瀬『先、お前入る？』

「いや、いやいやいや、それは先輩が先に」

永瀬『なら、そうさしてもらうわ。』

「はい、勿論。どうぞごゆっくり…」

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先輩はTシャツと、スウェットなどを持って

そのまま静かに部屋のユニットバスに消えて行った。

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「はぁ…やらかした。」

まずは、反省。

任せて下さい！！

と、自信満々で手配を行った気でいたのに、

やっぱり最後はこのオチか。

先輩、怒ってたなぁ～。

そんな事を考えながら

私もバックの中から

下着と、そして

「……おっつ……」

名字入りの体操着、これが私の寝巻き。

最悪です。

消え去りたい。

いや、過去に戻って、

平気で体操着を寝巻きにしていた私を

ぶん殴ってやりたい。

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そんな事をしているうちに、

シャワーの音が消えて、

ドライヤーの音が聞こえてきて、

やばいやばいやばい…

どうしよ…どうしよ、この寝巻き。

だってーーー、

まさかこんな事になるなんて

思ってもいなかったんだもん！！

誰か、

今すぐ可愛い寝巻きを

私に恵んでくれやしませんか…

ねぇ、誰か…

永瀬『なにそれ。』

「…っ！！」

またまた私は、

自分の背中に体操着を隠す。

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と、…そんなことより先輩。

永瀬『んふふ、また何隠してんの、それ。』

ブカっとした白のTシャツに

緩いスウェットパンツ

そしてセットされていない髪型

あまりにも

ナチュラル過ぎる先輩のその姿に

私は、思わず言葉を失った。

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