～先輩の隣は～【永瀬廉】 (ページ28)

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「名古屋ですか！？」

永瀬『うん』

「…名古屋…」

出勤して早々に、

うちの製品のイベントが

2週間後に名古屋で行われると聞かされた。

永瀬『イベントに向けて＿＿』

「……。」

初の出張。

そして、初の名古屋。

しかも、宿泊。

名古屋城…

ひつまぶし…

味噌カツ

永瀬『うん。なんか勘違いしてるな、お前。』

「え？」

永瀬『え？ちゃうわ。観光しようとか思てるやろ。』

“てかまた話聞いてへんし”

と先輩は私をジロっと見て

見透かしたような言い方をする。

ついに先輩は、

私の心の中まで覗ける術を身につけたのか？

「いえ、…し、仕事ですもんね！」

永瀬『分かってるならええけど。』

…ちぇ。

名古屋城、行きたかったな。

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「私以外に、他は誰が行くのですか？」

出張かぁ～

イベントかぁ～

宿泊かぁ～

私、一人でビジネスホテルに泊まるのとか

憧れてたんだよねぇ～

ふふ、寝れるかしら。

やばぁ！！ワクワクしてきた！！

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永瀬『俺。』

「え？あ、はい先輩と私と、あと誰が」

永瀬『俺以外おらんよ。』

「……。」

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なんと…

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「…先輩と二人で名古屋かぁ。」

永瀬『おい。心の声、漏れてんぞお前』

「ふふっ、冗談です。楽しみですね！」

永瀬『旅行ちゃうて、だから。』

もう今から、

先輩に怒られる自信しかないけど。

でも

「イベント、成功させましょうね！」

永瀬『んふふふ、おん。そうやな。』

ちょっとだけ先輩の表情が

いつもより明るいような気がするから。

実は先輩も、

名古屋観光、楽しみだったりしてね。

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永瀬『だから、今日から夜の予定入れんなよ。』

「ん？」

永瀬『はい、これ。』

え、それはどういう…

先輩は、

私に大量の書類を手渡してきた。

「重ッ…え、これはなんですか」

永瀬『プレゼンの資料作成。

お前にも手伝ってもらうから、宜しくな。』

「……。」

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