～先輩の隣は～【永瀬廉】 (ページ22)

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「おはようございます！！」

今日はいつもより、30分早く起きた。

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そしていつもより30分早く会社に着いたから

隣の席に、まだ先輩は居ない。

パソコンのスイッチをつけて、

先輩が出勤する前に

今日の訪問先に持って行く資料の準備を始める。

「…確か今日の取引先は、っと。」

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正社員になって1カ月。

私はこの1カ月で、自分で言うのもなんだけど

だいぶ変わったと思う。

誰かに言われないと

背中を押されないと行動出来ない私に

先輩はいつも、

＿＿自分から行動しろ

と、耳が痛くなるほど言われ続けた。

自主的に何かをするのが

多分、私は怖かったのだと思う。

でも、それではいつになっても成長出来ないから。

それに…

永瀬『…A？』

「あ！！先輩、おはようございます！！」

永瀬『…おはよ、…今日は早いな。』

「はい！！」

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まるで

褒めて褒めて！！

と、飼い主にしっぽを振る犬のように、

私は先輩に笑いかける。

永瀬『なんやその顔。』

「……。」

永瀬『早く会社着いただけでは、俺は褒めへんぞ』

バレたか…。

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私の頑張れる原動力は多分、

永瀬『でも資料まとめてくれたんは、嬉しいわ』

「……え？」

先輩は私の手に持つ資料を見て

ニヤッと笑い、

永瀬『ありがとう。』

と、私の頭を撫でた。

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原動力は今、

目の前の先輩に笑って褒めて貰う事。

「は、はい！！」

永瀬『ん。』

なーんて言ったら、

また先輩に怒られるかな。

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