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「あ、ありがとうございます！」
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恐らく、この場に30人近くは居るであろう。
その殆どが男性社員で
「Aちゃん、こっちもおいでよ！！」
「あ、はい！！今行きます！！」
私のような出来損ない社員でも一応は女。
挨拶に行けば、だいたいの先輩は
嬉しそうに私の相手をしてくれた。
初めは皆、席について食事をしていたが
いつの間にか立ち上がってお酒を飲む人や
大声を出して話す人などと、騒がしくなってくる。
あ、海人も先輩に絡まれてる。
可哀想に。
しかし私も他人事ではなかった。
ビール以外のキツいお酒を
次々と先輩に飲まされて
なんか、頭がクラクラしてきた。
「Aちゃんと話したかったんだよぉ」
「あ、はい！！是非、私で宜しければ！」
「ハハハッ、フレッシュだねぇー、若いねぇー」
ごめんなさい。
いろんな席を周り、先輩に挨拶をしたけれど、
お酒のせいもあるのか、
もう名前と顔が一致しておりません。
「仕事、大変？」
「あ、でも。最近は楽しくなって来ました！」
「おぉ素晴らしいね。良かった良かった。」
そう言って、この先輩は
私の肩をポンポンと触れてくる。
なんとなく触れられた肩に不快感を覚えたのだが、
私にはとにかくこの歓迎会で
マナーを完璧にこなす必要がある。
「…彼氏とか、いるの？」
「…え？」
「可愛いし、居るかぁ？アハハッ」
マナーを完璧にこなさなければ。
「…い、居ません！」
「いやぁー、嘘だね。」
え、嘘じゃないですけど。
するとその先輩は、
私の耳元で小さく言った。
“じゃあ、いろんな人と遊んでんだ？”
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……はっ？
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分かりやすく、イラっとした表情をする私。
それに気付いた先輩は、ニヤニヤと笑う。
「Aちゃん、あれ？怒っちゃった？」
「……。」
コイツなんなの、おっさん。
気持ち悪いなぁ。
セクハラだろ。
…ふぅ。
でもここは、落ち着いて。
「先輩、冗談は辞めて下さいよぉ〜」
「え？冗談じゃないよ、だって君遊んでそうじゃん」
え、まだ言います？
てか、遊んでないし。
「…遊んで無いですよぉ〜」
マナーを完璧に…
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作者名：ayu
| 作成日時：2020年9月7日 12時
