5「彼の優しさ」 ページ23
深澤「風呂入る？あ、シャワー？とりあえず沸かしてくるから」
「いい、大丈夫」
深澤「遠慮しなくてもいいよ。悲しい思い出、物理的にも洗い流したほうがいいって」
それは、そうかもしれない。シャワーを借りて、せっかく沸かしてくれたのでお風呂にも浸かって一息ついた。
ひとりになれば思い出してしまうけど、それも泡ごと流してしまおうと思った。
・
「お風呂、ありがとう。気持ちよかった」
深澤「気のせいかもしれないけど、顔がスッキリしたよ？A」
「そう？(笑)」
深澤「俺も入ってこよー。好きにテレビとか見てていいからね？」
「うん、ありがと」
髪を乾かしながら、すごくお世話になってるなと改めて思う。
辰哉って、昔はこんなに優しかったっけ？それとも年齢を重ねるにつれて丸くなったのだろうか？
私の身近に・・少なくとも元カレは、私が落ち込んでもこんなに優しく扱ってくれないだろうから、人のぬくもりってものを久しぶりに感じて心が温かくなる。
深澤「上がったよ・・ってどうした？」
「ちょ、服！服着て！？」
深澤「え〜？風呂上がりはあちぃーじゃん。てか男の裸見慣れてねぇの？」
「見慣れてるとかそういう問題じゃなくて！着ろ！」
誰だって急に裸の男が現れたらびっくりするでしょ？思わず命令口調になっちゃったけど、彼に服を着るよう催促した。
深澤「わぁったよ・・はい、着たから。顔上げてくださーい？」
「ほんと？嘘じゃないよね？」
深澤「んははは！別に嘘つかねーよ。お前の心が思春期かよ(笑)」
顔を上げたら言った通り彼はちゃんと服を着ていて、ようやく目のやり場ができた。
深澤「髪乾かし終わった？」
「うん、ドライヤーもありがとう。返す」
深澤「いや、俺は自然乾燥させるからいいや」
「ちゃんと乾かしたほうがいいよ？髪のためにも。乾かそうか？」
深澤「いいの？」
「それくらい、いいよ」
彼の髪を手櫛で通しながらドライヤーを当てる。大人しくしてる彼は、子供みたいに見えた。
・・・あ、これが私の、”母親みたいなんだよな”なのかな。
深澤「ん？どうした？」
「私って母親みたい、かな？髪を乾かしてあげるのとか、服着ろって注意するのとか」
深澤「う〜ん、違くない？大人のイチャイチャだと思うけど」
「い、イチャイチャ・・」
その言葉に恥ずかしくなった。
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みあ(プロフ) - スノ姫さん» スノ姫さん。コメントありがとうございます。素敵なリクエストです！参考にさせていただきます。 (2021年10月7日 0時) (
レス) id: f3c1546d7f (このIDを非表示/違反報告)
スノ姫 - アラフォーだけど、付き合ってた彼氏に浮気され、別れた所で街をふらついて歩いてる所に男友達の深澤君と会い恋人になったと言うシチュエーションをお願いします。 (2021年9月26日 4時) (レス) @page1 id: 61c754dd4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みあ | 作成日時：2021年9月25日 14時
