検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:1,482 hit

4 鏡ノ書 ページ5

「…よくそんなに何も知らずに旅に出たよね」
 「うるさいわね、まあ合ってるけど…」
 ツヅリに呆れたようにそう言われ、ユラは顔を赤くした。
 確かに「いつか見つかるだろう」というような考えで旅を始めたが、人に言われていい気分はしない。
 「じゃあ、あなたはどこまで知ってるのよ」
 「ほら」
 ツヅリは無造作に、鞄からいくつかの古い本を取り出した。それを開いたユラが見たのは、
 「古代…文字…? 」
 「読める? 」
 「えっと…くれ…い…紅? の、日?日かしら…うーん…ところどころなら読めるけど、全部は無理。かなり崩されているもの」
 ユラがそう言うと、ツヅリは目をつぶり、その本の内容をそらんじて見せた。
 「紅の日が永遠に照らす山、その狐ノ神が導く社に、映し鏡は封じられているであろう」
 「え…」
 「内容の通りさ。これは映し鏡のありかを記した本、「鏡ノ書」。君は巫女になるべき人間だから、古代文字は読めるんだろうね。でもこれは崩し鏡面古代文字で書かれてあるんだ。」
 「ええ、古代文字は教えてもらわなくても読めたけど…って、私が巫女?ってなに?」
 ユラがそう問うと、ツヅリはゆるゆると首を振り、少し笑って言った。
 「少し言い過ぎたね。忘れて」
 ユラは釈然としない顔のまま、一応うなずいた。

作者からのめもめも→←3 少年の物語



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (8 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
設定タグ:ファンタジー , 寺田ユルカ , オリジナル   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

寺田ユルカ(プロフ) - 皆様、評価ありがとうございます! (2018年7月12日 6時) (レス) id: b40b486a33 (このIDを非表示/違反報告)
チェーロ - 面白かったよ、更新お待ちしていまーす! (2018年7月9日 16時) (レス) id: 44eb7e5fd7 (このIDを非表示/違反報告)
寺田ユルカ(プロフ) - ありがとう! (2018年7月8日 19時) (レス) id: b40b486a33 (このIDを非表示/違反報告)
チェーロ - 楽しかったよ!更新お待ちしていまーす! (2018年7月8日 18時) (レス) id: bc2a620696 (このIDを非表示/違反報告)
チェーロ - ( ´∀`)bグッ! (2018年7月3日 22時) (レス) id: bc2a620696 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:寺田ユルカ | 作成日時:2018年6月25日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。