4 鏡ノ書 ページ5
「…よくそんなに何も知らずに旅に出たよね」
「うるさいわね、まあ合ってるけど…」
ツヅリに呆れたようにそう言われ、ユラは顔を赤くした。
確かに「いつか見つかるだろう」というような考えで旅を始めたが、人に言われていい気分はしない。
「じゃあ、あなたはどこまで知ってるのよ」
「ほら」
ツヅリは無造作に、鞄からいくつかの古い本を取り出した。それを開いたユラが見たのは、
「古代…文字…? 」
「読める? 」
「えっと…くれ…い…紅? の、日?日かしら…うーん…ところどころなら読めるけど、全部は無理。かなり崩されているもの」
ユラがそう言うと、ツヅリは目をつぶり、その本の内容をそらんじて見せた。
「紅の日が永遠に照らす山、その狐ノ神が導く社に、映し鏡は封じられているであろう」
「え…」
「内容の通りさ。これは映し鏡のありかを記した本、「鏡ノ書」。君は巫女になるべき人間だから、古代文字は読めるんだろうね。でもこれは崩し鏡面古代文字で書かれてあるんだ。」
「ええ、古代文字は教えてもらわなくても読めたけど…って、私が巫女?ってなに?」
ユラがそう問うと、ツヅリはゆるゆると首を振り、少し笑って言った。
「少し言い過ぎたね。忘れて」
ユラは釈然としない顔のまま、一応うなずいた。
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寺田ユルカ(プロフ) - 皆様、評価ありがとうございます! (2018年7月12日 6時) (レス) id: b40b486a33 (このIDを非表示/違反報告)
チェーロ - 面白かったよ、更新お待ちしていまーす! (2018年7月9日 16時) (レス) id: 44eb7e5fd7 (このIDを非表示/違反報告)
寺田ユルカ(プロフ) - ありがとう! (2018年7月8日 19時) (レス) id: b40b486a33 (このIDを非表示/違反報告)
チェーロ - 楽しかったよ!更新お待ちしていまーす! (2018年7月8日 18時) (レス) id: bc2a620696 (このIDを非表示/違反報告)
チェーロ - ( ´∀`)bグッ! (2018年7月3日 22時) (レス) id: bc2a620696 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:寺田ユルカ | 作成日時:2018年6月25日 21時