青のSP～学校内警察・嶋田隆平～ (ページ44)

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貴方side

＂偽教師＂

－－まさか青木先生が？

「青木先生……今の話、本当ですか？」

「……嘘がバレるのが怖かった」

水野先生の質問にようやく答えた青木先生。

「何とか辞めずに済む方法はないかと、ずっと考えていました。30になってたまたま受けた教員採用試験に合格して……。でも肝心な教員免許は大学時代、一つも取得していなかったんです。だから友人に免許状を借りて、名前と免許番号を書き換えてコピーを取り、教育委員会に提出しました」

そして運よく採用された、と青木先生は言った。

「でもどうして僕に目をつけた？」

嶋田さんはなぜ青木先生が犯人だとわかったのか、私も今の説明だけではわからない。

「お前、副校長から水野先生の代わりに英語を担当してくれって言われたとき、言ったよな？」

青木先生は、大学を出てから英語を使ってないし発音も褒められたものじゃない、と言っていたらしい。

「20代の頃からずっと海外を放浪していたお前が、英語を使ってないはずがない。気になってお前の免許番号を照合してもらった。案の定、該当する番号が存在しなかった」

－－そういうことか。

「でも、教員免許更新制度が導入されてから、今は10年ごとに免許の更新が必要ですよ？バレるのは時間の問題だったんじゃ……」

涼子ちゃんが聞くと青木先生は開き直ったように言った。

「それでも、少しでも長く教師を続けたかった！だってこの仕事が好きだったから！何でだよ……。僕よりダメな教師なんかたくさんいるじゃないですか！」

私は涼子ちゃんがダメな教師呼ばわりされている気がして嫌だった。

「僕なんてみんなが嫌がる仕事を引き受けて、生徒たちのために死ぬほど残業してたんですよ！水野先生だって、生徒より子育てを選ぼうとしてたじゃないですか！」

その言葉を聞いた嶋田さんは、いきなり青木先生に掴みかかったと思ったら、勢いよく看板に押し付け、手には金属バットを持っていた。

「お前がやろうとしてたことはな、こういうことなんだよ！」

看板が破壊されていく。

「一歩間違えば！お腹の子だけじゃなくて！水野先生も死んでたかもしれない。それに……水野先生を庇った上原も。そんなお前に、自分を正当化する資格があると思うのか？」

－－まさかバレてたとは……。

そうして青木先生は連行されて行った。