青のSP～学校内警察・嶋田隆平～ (ページ4)

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貴方side

通学路を歩いていれば、見慣れた背中が2つ。

『浅村先生！柴田先生！』

私が呼べば2人は振り向いた。

「おはよう」

「おはよう。上原」

『おはようございます』

涼子ちゃんたちに挨拶をして、3人で並んで学校へ向かう。

「先輩、昨日は災難でしたね」

「もうカオス。子どもたちは泣いてるし親たちは喚き散らしてるし」

『何かあったの？』

そう聞けば、慶城附属中の生徒たちが暴行と恐喝で逮捕されたらしい。

『慶城附属中って伝統校じゃなかった？』

「うん」

「まぁ退学は免れないだろうなぁ」

「でも、一発退場っていうのは厳しすぎるわよ」

「仕方ありませんよ。学校の看板、守るためです」

「守るのは生徒の方だと思うけど」

涼子ちゃんはボソッと呟いた。

いかにも涼子ちゃんらしいなぁと思っていると、何やら校門前が騒がしかった。

「あ、テレビだ」

「『ん？』」

柴田先生の言葉に涼子ちゃんとハモってしまい、2人で顔を見合わせた。

「そういえば今日からでしたね」

「何が？」

「文科省の肝煎り、スクールポリスですよ」

「あぁ～」

隣で繰り広げられる会話に私はついていけなかった。

『スクールポリス？』

「多分、全校集会で話があると思うから」

『ふーん』

わかった、と私は小さく頷いた。

実は涼子ちゃん－－浅村先生は私の母親の妹、つまり叔母にあたる。

そして偶然なのか、私のクラス担任でもある。

親戚関係であることを知っているのは、学校内ではかなり少ないはずだ。

苗字が違うから気付く人なんて滅多にいない。

知っているとするならば、校長先生と柴田先生くらいだろう。

柴田先生は涼子ちゃんの中学の後輩で、涼子ちゃんのことを慕っていて、一人っ子の私には兄のような存在。

3人で話しながら歩いていると、目の前に学校が見える。

－－【浅村先生】に直さなきゃな……。

ひとたび学校に入れば、教師と生徒として互いに接すると決めている。

「じゃあ、あとでね」

『うん』

涼子ちゃん－－浅村先生たちは職員室へ、私は3年1組へと向かった。