青のSP〜学校内警察・嶋田隆平〜

016． ページ17

NO side


「上原がですか？」

「そんな……」

「上原さんって、3年1組の？」

「何とも無いといいですけど……」

夕方の職員会議で上原のことが報告され、職員室内は驚きと不安で包まれた。

上原Aは成績優秀、テストは常に学年トップで加えて運動神経抜群。

さらに他学年にも好かれ、部活動の部長や生徒会長を積極的に務めるなど、教師たちは彼女に目をかけていた。

そんな彼女が病院へ搬送されるほどの怪我を負ったことは、学校側としても大きな衝撃の事態だった。

「付き添いに行ってくださっている三田先生によれば、1・2日入院が必要だということですが、それ以外は問題なし、と報告を受けています」

「「「「良かったぁ……」」」」

副校長の福島(ふくしま)美津子(みつこ)の言葉に皆が安堵した。

「でも心配よね……。事故とはいえ、頭を打ったんでしょ？」

水野が浅村に聞く。

「はい……」

「トラウマにならないといいけど……」

「そう、ですよね……」

体は大丈夫でも心が大丈夫かわからない。

「特に3年生の先生方は、彼女のフォローをお願いします。他学年の先生方もご協力をお願いします」

「「「「はい」」」」

ただ見守ることしかできないのだ。

職員室内には何とも言えない空気が漂っていた−−。

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