♯8 ページ9
一織がそう確信した頃…もう一人、海を周りとは少し違った目で見ている者がいた。
「(…海にぃのあんな優しい顔、はじめて見た。海にぃの隣にいる人…あの人がそうさせてるのかな…)」
海の実の弟であり、IDOLiSH7のセンターである七瀬 陸である。
兄と言っても、彼はとある出来事をきっかけに…高校入学と同時に一人暮らしをはじめてしまっていて…
こうやって、顔を見るのも随分と久しぶりである為…兄弟であるという意識が薄い人物ではあるけれど。
それ以前より、彼との兄弟仲は良いとは言えなかった為…仕方のないことかもしれない。
そんな状況である今、陸にわかることは…月光の下、美しく歌い踊る海は陸が知っているどんな海とも別人であるということだけだろう。
しかし…そんな事実が陸はただただ悲しかった。
海が未だ…七瀬家にいた頃、海はある時からずっと何故か陸に近付こうともしなくなったが…陸はずっと、かつてのように海と話したい…もっと一緒に居たいと望んでいた。
もっと海のことを、知りたいと思っていた。
自分を避けるようになった理由や、海の好きなものや、嫌いなものや…自分たちの上にいる、もう一人の兄に抱いている思いを。
そんな自分よりも…後から知り合っているであろう、海の隣にいる人物は陸の知らない海を…陸よりも沢山知っている。
そんな嫉妬にも似た感情が、今確かに陸の中で渦巻いていて…もう止まりそうにないところまで来ている。
だからこそ…思った。
海のIDOLiSH7への加入はまたとないチャンスであると。
海が愛してやまない音楽を通じてなら、陸も同じように愛している音楽を通じてなら…海をもっと、今まで以上に知ることができるかもしれない。
そう…確信出来た。
そして…IDOLiSH7のメンバー全員が望んだ。
自分たちの歌声と、ダンスを…海が持つ神秘的で優雅な歌とダンスに重ねてみたい、と。
今更、不確定要素を入れたくない…これ以上、不安定にしたくない…なんていう思いはもう消えていて…
今はただ、音楽が好きだという純粋な思いだけに突き動かされ…
自分たちの音楽を高めることだけに、力が向いているからだろう。
だから、陸は手を差し伸べ…告げた。
目の前で、見られていたことに驚き…大きく目を見開いている海に。
「海にぃ……IDOLiSH7に入って！」
「俺と、一緒に歌って。」
今まで、心の奥底にしまってきた…ずっと言いたいと思っていたことを。
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月(プロフ) - キャベツの芽さん» はじめまして！コメントありがとうございます！尊くんもちゃんと受け入れられていて、大好きだと言ってもらえる程だと知れて安心しました！本当にありがとうございました！ (2019年5月24日 17時) (
レス) id: f01d23ed14 (このIDを非表示/違反報告)
キャベツの芽(プロフ) - 初めまして|´-`)ﾁﾗｯ海くんも尊くんも大好きです！！これからも楽しみにしております！！ (2019年5月24日 14時) (レス) id: 270caf8b44 (このIDを非表示/違反報告)
月(プロフ) - Suiさん» コメントありがとうございます！これからも海くんのことを温かい目で見守ってくださればと思います。 (2019年3月26日 23時) (レス) id: f01d23ed14 (このIDを非表示/違反報告)
Sui - 続きがすっごい気になります!更新頑張って下さい！ (2019年3月26日 21時) (レス) id: 8fe2495ae6 (このIDを非表示/違反報告)
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