♯15 ページ16
何か、騒ぎが起こっているらしい。
中々静かな場所を発見出来ず…
海は頭痛とだるさを抱えたまま、体を引きずるようにしてフラフラとライブ会場付近を彷徨い歩いていた。
あまり上手く働かない頭でライブ会場へ向かうための時間と休める時間を計算しながら。
音酔いによる頭痛と、異常なまでの怠さ。
最早、ライブに行くのをやめて休んだ方がいいのではないか。
そう思わせてしまう程…体調が良くない海であったが、意地でもライブには行くつもりであるらしい。
時々、柱などに手をついて身体を支え…呼吸を整えては歩き出す…それをひたすらに繰り返しては休める場所を探しつつ…ライブ会場にも確実に接近していっている。
それは…尊がそれなりの覚悟を持って、海を誘ったライブだったから…というのもあるが、海がそれ同等に違った強い思いを秘めていたからかもしれない。
『はぁ…はぁ…はぁ…』
『(…天。)』
息苦しくて仕方がなくて…早く、一刻も早く…その苦しみから解放されたいと、そう思っているのに…
そんな時にさえ…脳裏に浮かぶ、優しい兄に…
天に、会いたい…という思いを。
ずっと、はじめて離れ離れになった5年前のあの日からずっと秘め続けてきたからかもしれない。
そんな昔から何一つ変わっていない、強い思いが海を確実に前へ前へと足を進ませていた。
『(…時間は、もうない…ライブ会場で尊と落ち合えれば、多分…ライブを最後まで見物できるまでは回復できる。)』
そして…海がもう休むことを諦めて、本格的にライブ会場へと向かう決心をつけ…
会場へ向かうべく動かしている足どりを早くする。
『…っすみません。大丈夫ですか…？』
その直後。
『…っ！』
海は想定外の出来事に遭遇することとなる。
急いでいるらしい人とぶつかり…その人が倒れ…
駆け寄ったその時。
『…っ天…？』
その相手が、自分がずっと探し求めていた…最愛の片割れ。
七瀬 天、もとい…九条 天であったということに気付くという…運命の悪戯なるものを感じずにはいられないほどの想定外な出来事に。
顔色は体調が優れない自分なんかより真っ青で、呼吸も弱々しい…5年振りに再会した片割れ。
『おい…！天！しっかりしろ…！』
それを心配をするな、というのが無理な話で…
海は一気に自分の中の何かが覚醒していくのを感じながら…今まで体調が悪かったのが嘘であるかのような力で体から力が抜けてぐったりとしている天を抱き抱え…
足早に休める場所を探しはじめた。
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月(プロフ) - キャベツの芽さん» はじめまして！コメントありがとうございます！尊くんもちゃんと受け入れられていて、大好きだと言ってもらえる程だと知れて安心しました！本当にありがとうございました！ (2019年5月24日 17時) (
レス) id: f01d23ed14 (このIDを非表示/違反報告)
キャベツの芽(プロフ) - 初めまして|´-`)ﾁﾗｯ海くんも尊くんも大好きです！！これからも楽しみにしております！！ (2019年5月24日 14時) (レス) id: 270caf8b44 (このIDを非表示/違反報告)
月(プロフ) - Suiさん» コメントありがとうございます！これからも海くんのことを温かい目で見守ってくださればと思います。 (2019年3月26日 23時) (レス) id: f01d23ed14 (このIDを非表示/違反報告)
Sui - 続きがすっごい気になります!更新頑張って下さい！ (2019年3月26日 21時) (レス) id: 8fe2495ae6 (このIDを非表示/違反報告)
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