♯10 ページ11
人が多く行き交う…公園の広場。
新人アイドルであるIDOLiSH7は今日もまた、そこで少しでも名を売るべくミニライブを行なっている。
彼等の歌声や、ダンスに引き寄せられるように多くの人が広場に集まっており…近くの屋台なども繁盛していて…
彼等の存在は、この広場に賑わいという利益を確実にもたらしていているらしく…
集まる者すべてが幸せそうにしている。
そんな光景を、人があまりいない…彼等のステージをギリギリ見られるくらいの距離がある場所から観覧しているかい者たちがいた。
『……。』
「へぇ…やっぱりうまいものだね。流石アイドル。」
大学の講義を受け終え、帰宅途中であった海と…そんな彼を迎えに来たであろう尊である。
あのファーストライブの夜、歌えない…そう言って、陸の誘いを断り…一方的に立ち去ってしまった海だったが、やはり陸のことは気になるらしい。
無言で、IDOLiSH7に視線を注ぎ…センターで心底楽しそうに歌っている陸を目で追っている。
そんな様子の海を見…尊は言う。
「…こうして、こそこそライブに来て目で追ってしまうくらい、弟くんが気になるなら…海くんもアイドルになったらいいのに。あの時の誘いを受けて、同じグループに所属してればもっと近くで弟くんを見てられたと思うよ？」
「それに…君には、それを可能にするくらいの才能と…それに見合った音楽への愛情があるんだからさ。」
その声音はいつにも無く真剣であり…何処か悲しげで…
尊が海を心底心配していて、そこに複雑な思いを抱えているということが伺える。
そんな尊の様子に気付いているからなのか、海は少しだけ申し訳なさそうにし…
遠くを見つめたまま、溜息をついて…それに返す。
『…知っているだろう。俺には…もう、あんな風に歌う資格がない。』
『…弟に、合わせる顔も。』
その声音は、酷く苦しそうだった。
「(…苦しめてしまったようだね。海くん…僕くらいは、ちゃんと君を苦しめないで一緒にいようと思ってたのに。)」
「(僕だけは、君を守ってあげなくちゃいけなかったのに。)」
海の苦しそうな声と姿に…尊は、自分の発言を悔い…
「今更、変なことを言ってゴメンね海くん。」
「君は君だ。海くんがこれからしていきたいことを頑張っていけばいいよ。」
また、満面の笑みを浮かべる。
海が安心するように、自分を心配させないように。
けれど…
この方法で一時的に海を楽にしてやることは出来ても…完全に楽にしてやることは出来ないことを尊は知っていた。
この問題は、海自身でどうにかする他に解決策がないのだから。
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月(プロフ) - キャベツの芽さん» はじめまして！コメントありがとうございます！尊くんもちゃんと受け入れられていて、大好きだと言ってもらえる程だと知れて安心しました！本当にありがとうございました！ (2019年5月24日 17時) (
レス) id: f01d23ed14 (このIDを非表示/違反報告)
キャベツの芽(プロフ) - 初めまして|´-`)ﾁﾗｯ海くんも尊くんも大好きです！！これからも楽しみにしております！！ (2019年5月24日 14時) (レス) id: 270caf8b44 (このIDを非表示/違反報告)
月(プロフ) - Suiさん» コメントありがとうございます！これからも海くんのことを温かい目で見守ってくださればと思います。 (2019年3月26日 23時) (レス) id: f01d23ed14 (このIDを非表示/違反報告)
Sui - 続きがすっごい気になります!更新頑張って下さい！ (2019年3月26日 21時) (レス) id: 8fe2495ae6 (このIDを非表示/違反報告)
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