美しいものには刺がある。- 2 -

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「ソヒョン、昨日出来てなかった所が完璧になってる！ジアンもウェーブの部分が良い感じだわ！」



やっぱりみんな、今日に限ってやる気が増している様だ。なんて言ったって期待のアイドル候補が後ろで目を光らせてみんなをピックアップしているから、そりゃあやる気になるのもわかる。けど、今日だけじゃなくて毎日それを続けると良いと私は思う。落ちこぼれが言う事じゃないかも知れないけど...




「__よし、今日の練習は終わり！また明日から新しい曲に挑戦するので、しっかりと遅れのない様に着いてくる事！それと...Aさん、最後に」


「はい。
今日皆さんの練習風景を見させていただいて......正直ガッカリしました。」


「っ...！？」


先程とはまた違う、驚いた様な響めきが練習室に広がる。



「確かに皆さんは基礎を習得してとても良い線まで来ていますが、講師の話を聞いていると、“今日は”完璧だと言う言葉が気になりました。
私が求めているのは1日だけ完璧なメンバーではないんです。常に完璧アイドルが必要なんです。」



「...そ、そんな...」



1人の女子練習生が目を見開き落ち込んでいるのが見える。あの子は...、ラリサちゃんだ。

ダンスが頭ひとつ分みんなより上手くて、新しいグループの候補生にもなってる期待の練習生。

ラリサちゃんも今日はダンスにキレが増してたからな...Aさんのコメントが信じられないんだろう。




「...皆さんにはもっと、期待していました。
ヤン先生が見込んだ方々ですから。
...でも、1人だけ。私が見据えた方が居ます。」



見据えた子...？

ちょっとばかり辛辣なコメントをしたAさんが気になった子だよね？



一体誰なんだとみんなの視線があちこちに飛び回る。









「_____キム・チェウォンさん、どうぞ前へ」





まさか、自分が呼ばれるとは思いもしなかった。

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