garnet国―私は,編― ページ25
リーキャジルは呆然と立ちつくしていた。
正確に言えば、座ることはできなかった。
ここは夢の中。でも、リーキャジルは、“夢の中の住人」ではない。
簡単に言うと、リーキャジルは夢を“見ている”だけで、“夢にでてくる登場人物”ではない。
だから、座れないのだろう
そしてリーキャジルは、ポツリと呟いた。
「…私は…?」
風が吹いただけでも消えてしまいそうなその声は、リーキャジルが今感じている不安を表したようなものだった。
幼なじみのことならよく知っていたはずなのに…
と、何度も昔のことを思い出そうとする。
このような夢を見ても、リーキャジルはあまりピンとこなかった。
むしろ、この三人は私の知っている「あの二人」と「私」ではなく、
他人の…似た誰かの過去なのではないか…
とすら思うほどだった。
だが、本当にあったこととは限らない。
リーキャジルは頭を抱えた。
「これが本当だとしたら…私のせいで…」
リーキャジルは自分を責めた。
あのとき花を渡さなければ、と
そんなことを考えていても、
夢は待ってはくれない。
リーキャジルが頭を抱えているこの瞬間でも、
本当かもわからない物語の時間は進んでいく。
砂利のようなものを踏む音が聞こえる。
この砂利は、emerald国の屋敷の門の前にあるものだ。
それを踏み、歩いているのはスケリアだった。
『やっと着いた…』
スケリアは門の前でそう呟く。
すると門前の兵は、
『あぁ、garnet国の。女王様にご用ですか?』
と尋ねた。
『はい!お届け物がありまして…
我が国の女王…リーキャジル様からのものですので、私が直接届けなくても大丈夫でもありますけどね!』
スケリアは弾むような明るい口調でそう言った。
『あぁいえ、今門を開きます。兵もつかせますが、よろしいですね?』
『はい!ありがとうございます!』
スケリアはぱぁっと顔を明るくさせた。
―――――――――――――――
『emerald国の女王様の部屋は、随分と奥にあるんですね〜』
『はい。元は一階の西側だったのですが、もし敵が侵入してきたときに、迷うような場所に、と、シスフェット様が仰りまして』
『なるほど〜、いい子達ですね〜、だってその場合、自分達も狙われる可能性があるでしょうに。子供なら尚更ですよ〜』
『まぁ、二人の部屋の前にはメイドの見張りがついていますし…』
『所詮か弱い女の子…。首なんて簡単に落ちちゃいますよ〜?女の子は脆いんですから♪体はもちろん、…心も』
『は、はぁ…』
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あや(プロフ) - 百亜さん» なにがかな?() (2018年5月29日 18時) (レス) id: be165192c8 (このIDを非表示/違反報告)
百亜 - あっ、あっ、、ああああ、なんかフラグ← (2018年5月29日 17時) (レス) id: f7d2a26b19 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - ^._.^さん» うぇええええあぁぁぁぁありがとうございます!!!!! (2018年5月26日 19時) (レス) id: be165192c8 (このIDを非表示/違反報告)
^._.^ - イメージして貰えたことを知ってるって事ですね、僕だったらすごく嬉しくなると思います!…お言葉に甘えて質問させていただきますね^^ (2018年5月26日 19時) (レス) id: f34247d7f4 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - ^._.^さん» こちらこそコメントありがとうございます!!!許可をもらったりとかはちゃんとしてあります(聞いてない) キャラクターに質問とかあったら、是非、続編へのリンクのところからきてみてください!! (2018年5月26日 18時) (レス) id: be165192c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢幻 錏鵺 x他1人 | 作成日時:2018年4月1日 12時