Bijoux＿histoire

garnet国―真偽編― ページ23

『リーちゃん、なにもらったの？』
シキャッドはリーキャジルに近づいて尋ねた
リーキャジルは
『めろんぱんと、お花！』
と元気に答えた
『めろんぱん、と…花！？』
シスフェットはリーキャジルの言葉を繰り返した
『そう、なんかね、もらった』
リーキャジルはめろんぱんにかぶりついた。
それを見ていたシキャッドは、
『立ちながら食べたらお行儀悪いよ！すーちゃんに起こられちゃうよ？』
と、リーキャジルに言った。
『だいじょーぶ！逆にスケリアは、「誰にもらったんですか〜、知らない人がくれたものだなんて、危ないですよ〜」って言って、食べさせてくれないもん。だから、こっそり食べるの』
リーキャジルは既に、めろんぱんの半分を食べ終えていた。
『うーん、まぁいいや！ボクらも食べよ、シキャッド！でもさすがに立ちながらはお行儀が悪いから…ベンチにでも行こっか！』
シスフェットが二人に向かってそう言うと、
二人は“ベンチに行けばいいのか…！”と言って、木の陰にあるベンチへ向かった。
シスフェットは、リーキャジルとシキャッドの足音を頼りにベンチへ向かった。

『なーんだ！ふつーに美味いじゃーん！』
シスフェットはめろんぱんにかぶりつきそう言った。
『…』
シキャッドは無言でめろんぱんにかぶりつく。
リーキャジルは既に完食していた。
『でさ、どうする？この花。私の国には花がたくさんあるし…正直いらないのよね』
そう言って、リーキャジルはシキャッドの膝に花を置いた。
シキャッドは一瞬、“え？”とでも言うように目を見開いたが、シスフェットに
『リーちゃんがさ、あげるって。』
と言われ、ありがたくもらうことにした。
シキャッドはまじまじと花を見つめたあと、こう呟いた。
『これって、ラネンかな？』
『ラネン？』
リーキャジルは首を傾げそう尋ねる。
だが、シキャッドはリーキャジルの質問には答えなかった。そして、
『emerald国とgarnet国の境に咲く花。。しかも、結構レアな花だ…。って母上が言ってた気がする』
『母さんが？』
シスフェットはその花を持ち、匂いを嗅いだ。
薔薇に近いような…そんな香りがした。

『この花はね、一部の記憶と代償に、夢を叶えてくれるらしいんだ…。』
『はぁ！？ちょースゴいじゃん！あ、でも、危険じゃない？毒とか持ってたらこえ‥』
『そもそもどうやって叶えるの？持ってるだけでいいのかな？』
『やめとこーよ、知らない人にもらったものだろ‥？』

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