ボスとJKの、その後。 (ページ10)

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【景瑚side】

エンドロールが静かに流れて、画面がふわっと暗くなる。
ソファの横を見ると、聖良が小さくあくびをしていた。

景瑚「眠い？」

A『……うん、ちょっとだけ』

目元をこすって、こちらを見上げてくるその顔が、もう可愛くて仕方なかった。

さっきお風呂に入ってから、すっぴんのままの彼女は、
少しだけ赤くなった頬に、ほんのり濡れた髪。
ラフなスウェットにショートパンツ姿で、
どこを切り取っても無防備で──
全部、俺だけのものだと思うと、胸の奥がぐっと熱くなる。

景瑚「ベッド、行こっか。……眠る前に、もう一回ぎゅーしていい？」

A『うん』

彼女は小さく頷いて、立ち上がる。

寝室に移動して、布団に入ると、彼女は自然と俺の腕の中に収まってきた。

腕枕の位置を調整して、聖良の頭が俺の胸のあたりに落ち着く。

景瑚「……大丈夫？痛くない？」

A『大丈夫。……落ち着く』

その声を聞いた瞬間、なんかもう、愛おしさが溢れそうになった。

夜の静けさのなか、彼女の体温と呼吸が近くにあって。
この距離で、こんな無防備で、俺に触れてくれる人がいる。

景瑚「……ねえ」

囁くように言って、俺はそっと顔を近づけた。

軽く──ほんの一瞬、唇が触れるくらいのキスをひとつ。
彼女が微かに体を動かした気がして、目を見たけど、反応はない。

寝てるのか、起きてるのか、わからないまま
もう一度──今度は、首筋にも。

柔らかい肌に、唇を滑らせるたびに
理性がぐらぐらと揺れる。

(……やばい。止まらなくなりそう)

でもその瞬間、彼女の呼吸が深くなって、
小さく寝息が混じった。

景瑚「……寝てるし」

まったくもう、と小さく笑って
俺はそっとAを胸に引き寄せた。

景瑚「可愛いすぎるって……ほんと反則だよ」

髪を撫でながら、肩をそっと抱き寄せる。

彼女が安心して眠れてる、それだけで。
俺の隣でこうして、すやすやと寝息を立ててくれることが、何より幸せだった。

景瑚「……おやすみ、Aちゃん」

そのまま、彼女の体温を抱きながら、目を閉じた。