ボスとJKの、その後。 (ページ21)

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静かすぎる夜の空気で、ふと目が覚めた。

(……のど、かわいたかも)

ゆっくり身体を起こすと、
景瑚さんは隣で眠っていて、肩にかかった布団がふわっと落ちそうになっていた。

(……Tシャツ、借りちゃおう)

そっとベッドを抜け出して、
床に落ちていた彼のTシャツを手に取ってかぶる。
大きめのサイズにすっぽり包まれて、
なんだかそれだけで、安心した。

キッチンでコップに水を入れて、
ひと口、ゆっくり飲む。

身体の奥に、さっきの熱が少し残っていて、
そのぬくもりが、じんわりと心を包んでいた。

(……夢みたいだな)

景瑚さんに抱かれて、
繋がって、
ずっと大事にされて。

初めてのことばかりだったけど、
怖さよりも、愛しさと安心の方がずっと大きかった。

コップを置いて、
また静かに寝室に戻る。

ベッドの中にそっと入ると、
景瑚さんの背中に自然と手が伸びた。

ぎゅっと、後ろから抱きつく。

『……ただいま、です』

「……起きてたん？」

低くて、少し眠そうな声。
でもすぐに、背中ごしに大きな手が私の腕を包んでくれた。

『ちょっと喉乾いてて……起こしちゃいました？』

「んーん、Aちゃんが戻ってきた気配で、
体の方が先に目ぇ覚めた感じ」

優しく振り返って、腕の中に引き寄せられる。
そのまま、顔を見合わせて──そっと、唇が重なる。

さっきよりも柔らかくて、
でも心にじんわり染みてくるキス。

長くも短くもない時間。
呼吸を合わせるように何度か口づけて、
そしてお互い、そっと目を閉じた。

「……もっと一緒にいたいな」

『いますよ。……ちゃんと、ここにいます』

「そっか……なら、もうちょいだけこうしてて」

ぎゅっと、また抱きしめてくれて──
その腕の中で、私は安心して、もう一度眠りに落ちていった。