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景瑚side
ベッドの上で、ゆっくりキスを重ねながら、彼女の背中に手を回す。
息が混ざって、視線がぶつかって、体温の境目が曖昧になっていく。
進むか、止まるか。
その判断は、ちゃんとA自身の気持ちで決めてほしかった。
景瑚「……大丈夫？」
そっと問いかけると、彼女は小さくうなずいて――
でもすぐに、顔を隠すように胸元に額を押しつけてきた。
『……わたし、こういうの、初めてなんです』
その言葉が、静かに落ちる。
思わず一瞬、体が止まった。
嘘じゃない。照れでもない。
たぶん、本当に彼女は――
景瑚「……そっか」
それだけしか言わなかったけど、頭の中には色んな感情が渦を巻いていた。
可愛いし、人から好かれるタイプだし、てっきり何かしら経験してるんだと思ってた。
だから、正直――驚いた。けど、それ以上に嬉しかった。
俺を選んでくれたことが。
その初めてを、託してくれようとしてることが。
『なんか、恥ずかしいです。景瑚さんのことちゃんと好きだけど、怖いし……』
言葉が途切れて、何かをごまかすみたいに、指先がシーツを握っていた。
『……うまくできなかったらどうしようとか、変に思われたらとか……』
『……めんどくさいって思われたくないです……』
それを聞いた瞬間、喉の奥が熱くなった。
景瑚「そんなふうに思うわけないやん」
彼女の髪をそっと撫でながら、目を細めて笑う。
その言葉が、うまく受け止められるように、ゆっくりと。
景瑚「むしろ、嬉しいよ」
『……ほんとですか』
景瑚「ああ。可愛くてたまらん」
Aが小さく唇を噛む仕草さえも、愛しく思えて仕方がなかった。
景瑚「無理にはしない。けど……俺も好きやし、我慢する方が難しいかも」
ふざけてるようで、本音。
こういう空気のときこそ、あんまり真面目な顔しすぎたら緊張させてしまうから。
手を重ね、そっと指を絡める。
景瑚「大事にするよ。ちゃんと」
その一言に、返事はなかったけど。
目を閉じた彼女の唇が、ふたたび触れてきた。
もう言葉はいらなかった。
ただ、静かに。
気持ちのまま、夜が深くなっていった。
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えり(プロフ) - あぁーもうドキドキが止まりません♡ (5月12日 8時) (
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作者名：はーと。 | 作成日時：2025年5月9日 1時
