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Aside
(……やばい)
そんな言葉が、何度も頭をよぎった。
『……っ』
最初は軽いキスだった。
触れるだけの、優しくて、くすぐったいくらいのもの。
でも、何度も重ねられるうちに、呼吸のタイミングがわからなくなって――
気づいたときには、わたしの体はソファに押し倒されていた。
景瑚さんの顔がすぐそこにある。
心臓の音がうるさいくらい響いて、自分の体の熱もどんどん上がってくのがわかる。
『……景瑚、さん』
呼んでみた声は、思っていたよりずっと掠れていて、
わたし自身が驚いた。
返事はなかった。
代わりに、唇が頬に触れて、首筋をなぞって――
『あっ……』
鎖骨のあたりに、そっと口づけられる。
びくっと肩が跳ねた。
でも、嫌じゃない。怖くもない。
むしろ、嬉しくて、くすぐったくて、恥ずかしくて――
『……や、ほんとに、止まらなくなっちゃいそう、です……』
そう言ったのは、たぶんわたしのほうなのに。
景瑚「……やめとく？」
耳元で囁かれて、体が熱くなる。
『……』
答えられなかった。
何も言えずに見上げていたら、景瑚さんの腕がわたしの背中を支える。
景瑚「……移動、してもいい？」
わたしが何も言わないまま、小さくうなずくと、
彼の手がわたしの腰をそっと抱き上げた。
ふわっと体が浮いて、目の前がふさがれる。
心臓の音はもう限界なくらい速くて、
抱き上げられた体の奥で、自分でもよくわからない感情が渦を巻いていた。
(……わたし、どうなるんだろう)
だけど、抱きかかえるこの腕のぬくもりだけは、確かで。
その優しさに、今は――
ただ身を委ねたかった。
ベッドの上にそっと降ろされた瞬間、マットレスのやわらかさに体が吸い込まれる。
景瑚さんの手が、わたしの髪をそっと払う。
目が合って、何も言われないのに、全部見透かされてる気がした。
『……』
なにも言えなくて、でも目はそらせなくて――
そうしている間に、ふたたび唇が重なった。
さっきよりも、深く。
呼吸が混ざって、胸の奥がじんわり熱くなる。
『っ……』
首筋を撫でる指先に、肌がぞくっとする。
そのまま、肩口、鎖骨――
どこにも力が入らなくなっていくのがわかる。
『景瑚さん……』
小さく名前を呼ぶと、またキスが落ちた。
何度も、何度も。
頬に、額に、唇に。
唇がふれたまま、長く、深く――
そのまま、時間がゆっくり溶けていくようだった。
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えり(プロフ) - あぁーもうドキドキが止まりません♡ (5月12日 8時) (
レス) @page35 id: 059380a41a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はーと。 | 作成日時：2025年5月9日 1時
