ボスとJKの、その後。 (ページ18)

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(景瑚side)

風呂から上がると、Aはすでにソファに座っていて、膝にクッションを抱えていた。

景瑚「お待たせ。」

『おかえりなさい。』

頬はほんのり赤くて、湯上がりのすっぴんがやけに柔らかく見える。
大きな瞳と口角の上がった口元が、どことなく瑠姫くんに似てるな、なんてふと思うけど、それは胸の中にしまっておいた。

景瑚「じゃあ、映画観よっか。ちょっと照明落とすね」

『はい』

部屋がふわっと暗くなり、テレビの明かりだけが空間を照らす。
しばらくは、隣同士で普通に座って観ていたけど――

中盤に差し掛かった頃、Aが小さく動いた。
気づいたら、俺の膝の上にそっと座ってきていた。横向きに、ちょこんと。

景瑚「……どうしたん？」

『ちょっとだけ……甘えても、いいですか？』

顔が近い。
いつもよりほんの少し距離が縮まっただけで、こんなにも可愛いと思うんやな。

景瑚「もちろん」

そっと腕を回して軽く支えると、Aは体を預けてきた。
熱が残る肌と、ふわりと香る甘い匂いが、意識をぐっと引き寄せる。

景瑚「……なんか、いい匂いする」

『えっ……』

景瑚「めっちゃ好きな匂いこれ。」

『ま、待って……！』

冗談みたいな反応をしながらも、彼女の耳まで赤くなってるのが見えて、俺はつい笑ってしまう。

香りは、たぶんシャンプーかボディクリーム。
優しくて、あったかくて、Aらしい匂いだった。

景瑚「好き。匂いも、雰囲気も、全部」

『も、もう……意地悪です……』

そう言いながら、そっと腕に触れてくる手が可愛くて、たまらなくなる。

Aが小さく身じろぎした拍子に、顔がまた少し近づいた。

俺の膝の上に横向きでちょこんと座って、上目遣いでこっちを見るその顔が、
ほんまに、可愛すぎる。

触れるだけのキスをひとつ。
頬が、ぴくっと震えた気がした。

もう一度、今度は少しだけ角度を変えて。
柔らかくて、あたたかくて、どこかくすぐったい。

Aは目を閉じて、俺に身を預けてくれている。
だから、もう一度。
額に、鼻先に、唇に――軽く、何度も重ねた。

景瑚「……なんか、止まらんな」

『……っ、ずるいです……』

そう言いながらも、逃げようとはしない。
そっと髪を撫でながら、俺はAの額にキスを落とした。