ボスとJKの、その後。 (ページ15)

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「はい！まずはボディスクラブね！保湿力高めで香りはお花系？それともバニラ系？」

『え、えっと……おすすめで……！』

「オッケー任せて！」

休日のショッピングモール、化粧品コーナーの前。
桃子ちゃんは完全にプロの顔で、次々と商品を見比べていく。

私はというと──
並ぶ可愛いパッケージと甘い香りに、ちょっと緊張しつつ、でもわくわくしていた。

『これ……いい匂い』

「でしょ！？それ私も持ってるやつ。肌つるつるになるし、夜使うと幸せになるんだから！」

結局、スクラブと、香りの合うボディクリームをおそろいで購入。
そのあとは、桃子ちゃんが「こっちこっち！」とまっすぐ連れて行った先──

『……え、ここって……下着屋さん……』

「うん！可愛いの見に行くって言ったじゃん！
“備える”って言ったじゃん！」

『うぅ……ちょっとだけね……』

照れながら店内に入ると、思ったよりも落ち着いた雰囲気で、
可愛いけど上品なデザインがたくさん並んでいた。

(……こういうの、身につけたら、少しだけ大人になれるのかな)

ひとつひとつ手に取っては、鏡越しにそっと合わせてみる。
そうしているうちに、気持ちがふわっと上向いていくのを感じていた。

＊＊＊

夜、部屋に戻ってから。
袋いっぱいのコスメと下着をベッドの上に並べて、
改めて眺める。

(……なんか、ちょっとだけ、自信ついたかも)

そんなとき、スマホが震えた。
画面には「景瑚さん」の名前。

『もしもし？』

景瑚「お疲れさま。今日、楽しかった？」

『うん！桃子ちゃんと、買い物に行ってたの』

景瑚「そっか。じゃあ、気分転換できたね」

声を聞くだけで、どこかホッとする。

景瑚「そうだ、今度また映画観ようか。今週末とか、どう？？」

『えっ……うん、観たい！』

景瑚「じゃあ、俺が選んどく。……恋愛映画みたいんだよね。」

『いいですね。楽しみにしてます。』

今週末の楽しみが増えた1日だった。