ボスとJKの、その後。 (ページ11)

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朝の空気は、ひんやりとやわらかくて。
窓から差し込む光で、自然と目が覚めた。

寝返りをうって横を向くと、
目の前には静かに眠る景瑚さんの横顔。

少し長めのまつげに、すっと通った鼻筋。
ゆっくりと上下する胸元に、寝息のリズム。
こんな近くでまじまじと見つめたの、たぶん初めてだった。

(……きれいな顔)

そう思った瞬間、心臓がふわっと跳ねた。

昨日、抱きしめられて眠ったこと。
それより前に、髪や肩にふれられた感覚。
全部が曖昧で、夢みたいだったのに──
今こうして隣にいるのは、ちゃんと現実で。

(……やばい。今さらドキドキしてきた)

そっと視線を外そうとした、そのときだった。

景瑚「……おはよ」

『っ！？』

景瑚「そんな見つめてくれるなら、寝たふりやめてちゃんと挨拶しないとね。」

『起きてたんですか！？』

景瑚「ううん、今起きた。でも、目開けた瞬間のAちゃんの顔、めっちゃ真剣で。
……なんか見惚れてくれてた？」

『っ、ちが……見てただけです！』

景瑚「そうなんだ。……じゃあ昨夜の寝る前も覚えてる？」

『……っっっ！！』

顔が一気に熱くなって、思わず布団を引っ張って隠れた。

景瑚「うわ、真っ赤。可愛すぎるって」

『もう、からかわないでくださいっ……！』

景瑚「いや、これはね、無理だわ。可愛すぎて」

少し身体を起こしたと思ったら、ふいに近づく気配。

景瑚「……ね、ちょっとだけ、ぎゅーしていい？」

『ちょっとだけ、ですよ……』

景瑚「わかってる。でもちょっとじゃすまなそう……」

苦笑まじりに、私の体をそっと引き寄せて、
そのまま後ろから腕を回される。

景瑚「……可愛すぎて、ほんとどうしたらいいのか分かんなくなる」

その声が、耳元で静かに響く。

(やばい、朝から心臓に悪い……)

でも、嫌じゃない。そんな朝。