呪いの子、拾いました【五条悟】

試し ページ7

「A、着いたよ」






空港を出て、僕に手を引かれながらうとうとしている彼に声を掛ける




「ん〜………ねむい」



「予定より早く着いたから、先にホテルに行こうか」


「ほてる…？」



「宿みたいなものさ」





話しかけてもなお眠そうにしている彼を見て少し笑う





繋いでいる手からは、体温は伝わらない



Aは人間ではないということを思ってしまう






この子は呪霊に近い存在だけど、一般の人からは普通に見れるらしい




人間ではないし、本当の呪霊ではない





不思議な存在だ







＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
その日の夜…



「A、眠くない？」



「大丈夫。ちゃんと回復した！」




「よし。……じゃあ、初めに僕が言った注意事項を思い出してみて」




「えっと…、交戦はしないこと、指定された場所からは無闇に動かない、襲われそうになった時など何かあれば先生に言う。

この三つだよね」




「上出来だ」






Aの頭を撫でようとした時





彼は何か違和感を感じたのか、すぐに森の奥を見た






「………さあて、お目当ての呪霊が来たみたいだよ」



遠くに存在する呪力に反応できている




感覚は恵と同じくらいの鋭さかな





「A。そこを動かないでね」



「わかった」




頷いたAを庇うようにして前に出て、攻撃を仕掛けてくるそれを待つ






「……五条先生」


「なに」



「………頑張ってね。応援する」





変に強張っていた僕を見て心配してくれたのだろう




ははっ、心配するのは僕の方なのに





「ありがと。ちゃんといい子にして待っていてね」



「うん！」

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