呪いの子、拾いました【五条悟】

出会い ページ41

特にどうという理由はなく、目的の場所に向かう





あの時、宿儺はあっさりと許してくれた






Aに免じて……って






やっぱり繋がってるんだな





僕と違って






だから、宿儺も直ぐにAが死んだことに気がついた





正確には死んだ、ではなく







僕が殺した…だけどね








「……………………」




人の手のかかっていない洞窟を抜け






例の色褪せた鳥居を潜る







初めて見たときのあの子は、そこに鎖でつながれていたけど





当たり前だけど、今はもういない






「……A」




硬い石の境内に落ちている鎖を拾い、あの子の名前を呼ぶ






ぼーっと眺め、特に何もないので、階段に腰掛ける







「なんですか？五条先生」




ふいに、背中が温かくなった





そして首に回るのは細い腕






「……あれ？聞こえてるよね？」





高くも低くもない声が、右耳から入る






「は…？」



「あははっ！先生驚いてる〜」





急に頰を掴まれたと思ったら、強制的に後ろを向かされた僕





目に写ったのは






「……へへっ、久しぶり。五条先生」









出会った頃よりも大きくなったAだった

もう一度→←言伝

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す