番外編〜疲れた時は〜(修正) ページ4
・
・
「ただいま」
誰もいない家に向かって呟く。
いつもなら、部屋着に着替えてからゆっくりするんだけど、その気力は微塵も残ってなく、ソファにそのまま勢いよく身を投げた。
今日は撮影は中断するし、ビンタを何度も喰らって頬が赤くなるわ、監督の納得いく演技が出来なくてリテイク重ねて撮影は押すで、散々。
「はぁ、、、」
ため息をつくと、彼の顔を思い出す。
ため息つくと幸せ逃げるよ、って私がついたため息を食べて、Aの幸せ貰っただなんて笑う彼。
「滉くんに会いたい」
この言葉も1人では広い家に消えていき
私の瞼は気づかないうちに眼を覆っていた。
「んっ、、」
知らぬ間にソファで寝ていたらしく、身体がバキバキで、、って私毛布掛けてたっけ?
そう不思議に思っていると、突然ドアが開いて、寝落ちる前に呟いたあの人が私の視界に現れた。
『A、おはよう、身体痛くない?』
私は彼がここに居ることにびっくりして、固まってしまい
『A?おーいA』
「なんで?、、、えっ?本物?、、えっ、、?」
私は寝起きということもありあまり頭が働いていなく、パニックになってしまった。
『えっ、昨日Aの家行くねって話したじゃん』
「あっ、、そうだった、」
『一応、家にもう少しで着くよって連絡しても既読付かないから、心配して合鍵使って入らせて貰った』
「ごめん、完全に忘れてた、。」
『それより寝顔、酷い顔してたよ?また1人で溜め込んでる?』
「酷い顔って、、女性に向かって失礼だわ笑」
『誤魔化さないで、俺、Aの彼氏だよね?彼氏にも悩みも話せない?』
滉くんに詰められたら、言うしかなくて、口を開いた。
「ッッ、、今日、撮影が雨で中断してちゃって撮影が押して、空気がピリピリしてるから皆萎縮しちゃって、監督の思うような演技ができなくて、リテイク重ねちゃってさ、そのシーンがビンタされるシーンだったから何度も本気のビンタされて、辛くて、、」
支離滅裂な私の話を最後までしっかり聞いて、寄り添ってくれる滉くんが優しすぎて、その優しさも辛くなって涙が零れ落ちそうになる。
『話してくれてありがとう。Aはよく頑張ってる、そこは認めろよ?』
滉くんの身体に身を預けるように寄り掛かると、大きな身体で滉くんは私を抱きしめてくれた。
・
・
703人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:結衣 | 作成日時:2023年1月16日 16時