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199.絶好の機会 ページ49

「戻られたのでしょう?お二人とも。」


 千寿郎の言葉に俺たち二人は見つめ合う。
 
 彼は人のことをよく見ている。


「前にもAさんにはお伝えしましたが、

 僕はお二人の味方ですから!」


「千寿郎…」

 
 にこにこと笑っていた千寿郎は、

 突然、真剣な顔をして俺に告げた。


「兄上!Aさんを大切に思うのは僕も同じですからね!

 大切なお姉さんのような方ですから!」



「千寿郎くん…」


 Aは千寿郎のことをぎゅっと抱きしめた。


「わっ!!Aさん!?は、恥ずかしいです…」


 その姿は本当の姉弟のようで…


 俺はその上から二人を抱きしめた。



「千寿郎、俺もAもお前のことを大切に思っている。」





 ◇




 夏の暑さが落ち着き、少しずつ日が短くなっていく。

 涼しい風が髪を揺すり、

 ひぐらしが鳴く頃には任務に出かけていた。


 Aが生家に戻ってくるようになってから日が経ち、

 気づけば"前と同じ"ような生活に戻っていた。


 任務の合間を縫って、彼女と逢瀬を重ねる。


 それが今の俺の生き甲斐になっていたし、

 心の支えでもあった。


 無論、多忙につき回数こそ多くはなかったが、

 それでも少しでもAといる時間、

 話をする時間が幸せだった。


 ある夜のこと。

 眠る彼女の自室に忍び込んだ。


 行燈の灯りがついていて、

 これは"絶好の機会"だと思って俺はあるものを取り出す。



 薄明かりの中だが、

 布団から見えていたAの左手の薬指に

 そっと和紙を巻きつけて印をつけた。



「ん〜…」



 気づかれたか?と思ったが、彼女は再び寝息を立て始めた。

 幸せそうな顔で眠りについている。


「A、おやすみ。」


 そう言って額に口づけをした。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 読者の皆様へ

 ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
 近々「アヤメのハンカチ5」へと移行しますが、
 次で完結までいくと思いますので、
 最後までお付き合いください。

 いつも投稿後にすぐにハートが届いて、
 心温まる思いであり、更新の励みになっております。
 本当にありがとうございます。

 更新頻度が遅くなりすみません。
 細々と書いておりますが、
 一人でも楽しみに待ってくださる方がいる限り
 頑張りたいと思いますので!
 お気に入り登録、評価もよろしくお願いします!

 2023.1.23 狐姫

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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - 美桜さん» ありがとうございます♡ いつもコメントくださり、本当励みになります!これからの煉獄さんサイドの展開もお楽しみくださいね! (2023年2月3日 22時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - こんばんは。お疲れ様です☺︎すみません。私が早とちりしてしまいました。続きドキドキしますが楽しみにしてます。完結まで見守っていきますね!新作もその時はぜひ拝読させて頂きますね♪ (2023年1月25日 22時) (レス) @page50 id: 4bde5e03bb (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 美桜さん» 美桜さん、ありがとうございます♡ 私の書き方が悪くてすみませんが、続編はなく完結いたします!次に移行するという意味でした…!ただ、まだ確定ではありませんが、新作を少しずつ考えていますので…いつかお知らせできるといいです💭 (2023年1月24日 19時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - 更新お疲れ様です!いよいよ完結ですね。最後まで2人の物語を見守っていきます。続編もあるとのことでそちらも楽しみにしてますね☘ (2023年1月23日 22時) (レス) @page49 id: 4bde5e03bb (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 美桜さん» 美桜さん!コメントありがとうございます。こちらこそ、本年もよろしくお願いいたします!更新を待ってくださる方が一人でもいてくださることが本当に幸せです。これからも、ときめく物語をお届けしていきますね! (2023年1月6日 22時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2022年9月6日 22時

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