検索窓
今日:2 hit、昨日:25 hit、合計:15,591 hit

195.※手放す理性 ページ45

※ 今回は少し大人な話です。
 苦手な人はとばしてください。






 Aを横抱きにすると彼女を寝室へ連れて行った。




 彼女を褥の上に下ろすと、

 慣れた手つきで行燈の火を灯す。


 優しく、あたたかな灯りがぼわっとあたりを照らして

 彼女の肌を艶やかに映す。



 自身の日輪刀を腰から外して刀掛けに置くと、

 Aへと歩み寄り、褥の上に膝立ちになった。


「…これを外してくれないか?」


「…え?」


 戸惑う彼女を瞳に映しながら、

 俺は隊服のベルトに手を当てた。


「…ほら。」


 行燈の灯りの中で、瞳を湿らせ、上気した顔が見えた。



「困った君の顔も愛おしいな。」


 
「…で、できません。」



「できなくないだろう?やりもせずに言ってはならない。」



「…そういうことでは」


 俺はAが言い終える前に、

 彼女の手を掴んでベルトに触れさせた。


「…君に外して欲しい。」


 静寂の夜に緊張した彼女の息遣いが微かに聞こえる。


 Aはおずおずと俺のベルトに手をかけた。




 その指先は少し震えていて、

 けれどもしっかりと、ゆっくりと、ベルトを外していく。




 ベルトを外す金属音が夏の夜に響く。



 その音さえも俺の胸を高鳴らせた。




 するっと取れたベルトを持つ彼女の手からベルトを取ると、


 優しく彼女の頭を撫でた。



「…よくできました。」



 恥ずかしそうに口元を抑える彼女はなんと愛おしい。




 俺はひとつ、ひとつ、ゆっくりと

 隊服の上のボタンを外していく。



 すると、ぼうっとその様子を眺める

 Aの視線に気がついて、

 口の端を少しあげ、誘うように妖しく微笑んだ。



「どうした?」


「…いえ。」



 俺はシャツのボタンに手をかけている途中で

 情けないことにいよいよ堪えきれなくなり、

 彼女を押し倒してしまった。




「とても綺麗な浴衣だが、

 君の素肌に敵うものなどないな。

 汚してしまうから…俺が脱がせてあげよう。」

196.※結んだ糸→←194.時を埋める口づけを



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (44 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
61人がお気に入り
設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

狐姫(プロフ) - 美桜さん» ありがとうございます♡ いつもコメントくださり、本当励みになります!これからの煉獄さんサイドの展開もお楽しみくださいね! (2023年2月3日 22時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - こんばんは。お疲れ様です☺︎すみません。私が早とちりしてしまいました。続きドキドキしますが楽しみにしてます。完結まで見守っていきますね!新作もその時はぜひ拝読させて頂きますね♪ (2023年1月25日 22時) (レス) @page50 id: 4bde5e03bb (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 美桜さん» 美桜さん、ありがとうございます♡ 私の書き方が悪くてすみませんが、続編はなく完結いたします!次に移行するという意味でした…!ただ、まだ確定ではありませんが、新作を少しずつ考えていますので…いつかお知らせできるといいです💭 (2023年1月24日 19時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - 更新お疲れ様です!いよいよ完結ですね。最後まで2人の物語を見守っていきます。続編もあるとのことでそちらも楽しみにしてますね☘ (2023年1月23日 22時) (レス) @page49 id: 4bde5e03bb (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 美桜さん» 美桜さん!コメントありがとうございます。こちらこそ、本年もよろしくお願いいたします!更新を待ってくださる方が一人でもいてくださることが本当に幸せです。これからも、ときめく物語をお届けしていきますね! (2023年1月6日 22時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2022年9月6日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。