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174.電球 ページ24

「なあ、お前らさ、どうなってんの?」

 天丼を口に頬張りながらそう尋ねるのは、

 音柱の宇髄天元。

「お前らとは誰だ?」

「ん?煉獄、わざと言ってんのか?
 
 Aとのことだよ。最近一緒にいないだろ?」


 この男は鋭い。


「うむ。」


 宇髄は箸を止めると、眉をひそめて俺の額を小突いた。
 

「答えになってねぇぞ。」


「彼女とは別れた!それが答えだ!」


「はあ!?!?」


 店中に響き渡る声に周囲の視線が一気にこちらへ集まった。


「宇髄!声が大きいぞ!」


「お前に言われたくはないがな!

 …ちょっと待て。なぜそうなった?」


「Aには幸せに生きて欲しい。

 鬼とは関係ない世界で、笑顔を絶やすことなく

 生きて欲しいから別れを告げた。」



「ふう〜ん。あっそ。Aはそれで幸せなのかね。」


 宇髄は目を落として小さく呟いた。


「きっと幸せになれる。

 俺と共にいれば、鬼との縁は切っても切れないだろう!」


 それはそうだろうけど…と、困ったような顔で彼は続けた。


「嫌いになったわけではないんだろう?」


「…無論、それはない。

 愛しているが故の俺なりの選択だ。

 人の心は移ろいゆくもの。時が経てば、彼女だって

 素敵な人と巡り逢い、共に道を歩める。」


 店内の照明が切れそうなのか、

 時折音を立てて消えそうになる。


「俺からしたら地味な考えだな。お前はそれでいいわけ?」


「俺は鬼殺隊だ。いつこの命消えようと分からない!

 その覚悟をもって任務に当たっている!

 若くしてAを一人残したくないのだ。

 ならば少しでも共にいられる人が彼女の隣にいて

 幸せにしてあげた方が良い。」


 いよいよ寿命が尽きた電球が音を立てて消えた。


「主人!替えの電球はあるだろうか?

 俺が取り替えよう!」


 俺が声をかけると、店主は「悪いねえ、助かるよ」と言って

 新しい電球を俺に手渡した。


 人の命の替えはない。


 消えて暗くならないように、

 長く明るく照らす、そんな人と共に。



「宇髄、この話はAには言わないでくれ。」


「お前の派手な覚悟は分かった。黙っとくさ。

 さて、そろそろ目的地に向かうぞ。」


「うむ。」

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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - 美桜さん» ありがとうございます♡ いつもコメントくださり、本当励みになります!これからの煉獄さんサイドの展開もお楽しみくださいね! (2023年2月3日 22時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - こんばんは。お疲れ様です☺︎すみません。私が早とちりしてしまいました。続きドキドキしますが楽しみにしてます。完結まで見守っていきますね!新作もその時はぜひ拝読させて頂きますね♪ (2023年1月25日 22時) (レス) @page50 id: 4bde5e03bb (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 美桜さん» 美桜さん、ありがとうございます♡ 私の書き方が悪くてすみませんが、続編はなく完結いたします!次に移行するという意味でした…!ただ、まだ確定ではありませんが、新作を少しずつ考えていますので…いつかお知らせできるといいです💭 (2023年1月24日 19時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - 更新お疲れ様です!いよいよ完結ですね。最後まで2人の物語を見守っていきます。続編もあるとのことでそちらも楽しみにしてますね☘ (2023年1月23日 22時) (レス) @page49 id: 4bde5e03bb (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 美桜さん» 美桜さん!コメントありがとうございます。こちらこそ、本年もよろしくお願いいたします!更新を待ってくださる方が一人でもいてくださることが本当に幸せです。これからも、ときめく物語をお届けしていきますね! (2023年1月6日 22時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2022年9月6日 22時

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