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151.月だけが見ていた ページ1

「なあ、A。」


「はい。」


 月夜に照らされたAの顔が艶めいて

 その表情が儚げで…



 なぜだろう。胸が苦しくて、痛くて。

 どうしようもなく彼女に溺れてしまい。

 限りあるこの生に、君が生きたその人生(とき)に、

 俺という男がいたことを忘れないで欲しくて…

 
 言葉なんかでは足りないんだ。



「今宵は枕を重ねてくれないか?」



 Aが目の前にいるのに、

 心は満たされているはずなのに、

 薄く欠けた月のように危うげで

 消えてしまいそうなこの心を君に繋ぎ止めて欲しいだなんて

 密かに思ってしまった。



 俺の発した言葉の意味をすぐにできなかったのか、

 Aはぼうっと考え、しばらくして「…あっ!」

 っと声を上げて頬を赤らめた。



「…良いだろうか?」


「…は…い。」


 
 自分から誘っておいたのに、

 彼女が素直に受け入れてくれたことが

 嬉しくも恥ずかしくて、思わず月を眺めた。



 すると、こちらを見つめる視線に気がついて

 顔を向けると、熱く、蕩けた瞳とぶつかった。




「…そんな瞳で男を見てはいけない。」




 俺はAの手を引いて歩き始めた。





 

 熱のこもった瞳で彼女の手を引く俺と、



 頬を赤らめながら俯くAを



 ただ静かに月だけが見ていた。

152.嘘つきには→



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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - 美桜さん» ありがとうございます♡ いつもコメントくださり、本当励みになります!これからの煉獄さんサイドの展開もお楽しみくださいね! (2023年2月3日 22時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - こんばんは。お疲れ様です☺︎すみません。私が早とちりしてしまいました。続きドキドキしますが楽しみにしてます。完結まで見守っていきますね!新作もその時はぜひ拝読させて頂きますね♪ (2023年1月25日 22時) (レス) @page50 id: 4bde5e03bb (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 美桜さん» 美桜さん、ありがとうございます♡ 私の書き方が悪くてすみませんが、続編はなく完結いたします!次に移行するという意味でした…!ただ、まだ確定ではありませんが、新作を少しずつ考えていますので…いつかお知らせできるといいです💭 (2023年1月24日 19時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - 更新お疲れ様です!いよいよ完結ですね。最後まで2人の物語を見守っていきます。続編もあるとのことでそちらも楽しみにしてますね☘ (2023年1月23日 22時) (レス) @page49 id: 4bde5e03bb (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 美桜さん» 美桜さん!コメントありがとうございます。こちらこそ、本年もよろしくお願いいたします!更新を待ってくださる方が一人でもいてくださることが本当に幸せです。これからも、ときめく物語をお届けしていきますね! (2023年1月6日 22時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2022年9月6日 22時

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