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47.雪のよう ページ47

 Aは

 俺の気持ちを受け入れるように

 優しく微笑んでいた。



「それから、許嫁の話だが、

 …許嫁がいるのは本当だ。

 Aには紹介していなかったな。今度連れてこよう。」



 彼女は許嫁のことを考慮して

 自分で薬を塗ると言ったわけか…



「しかし!それとこれとは別の話!

 薬は塗らせてもらう!

 千寿郎に塗らせるわけにはいかないからな!」



「良いのですか…?」



「構わない!これは手当のひとつだ!」



「でも、許嫁のことまで考えてくれて、

 Aは優しいのだな。ありがとう。」


「…いえ。」


 なぜかAは顔を赤らめている。


「お願いします。」


 彼女はそう言うとゆっくり浴衣を着崩した。

 その仕草はなんとも艶やかで

 息が詰まりそうに胸がぎゅっと苦しくなる。




「君は肌が白いな。

 …餅みたいだ!」



「杏寿郎さんは、本当に食べ物がお好きですね。

 こういう時は、雪みたいとか言うのですよ。

 その方が女性は喜びます。」


 Aはそう言うと、クスクスと笑い出した。



 彼女のその様子に


 俺は感じたことのない感情に駆られ、


 なぜだか少しだけ意地悪をしたくなってしまった。





 薬をつけた指を肌に滑らせながら


 Aの耳元に口を寄せてそっと囁いた。





「本当、雪みたいに白くて綺麗だ。」






 行燈の灯に照らされた


 二人の影が襖にゆらゆらと揺れ映る。




 俺の言葉に驚いたのか、



 Aは咄嗟に俺の方に身体を向けた。






 いつもは凛と美しいのに、





 驚いた表情は幼くて






 可愛らしい。

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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - misakimiさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!様々な行動の裏の心情が少しずつ見えてくるかと思います!お楽しみくださいませ(*˙˘˙*) (2022年1月8日 13時) (レス) @page43 id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 煉獄さんの、自分の心の動きについていけてない純朴さたっぷりの初々しさよ。今日も素敵!一週間のご褒美戴きました! (2022年1月7日 22時) (レス) @page42 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - misakimiさん» 読んでいただけて嬉しいです!辛く悲しい気持ちがありつつも、彼女への愛は変わらないのです。彼の心情の変化を追いながら物語を楽しんでいただけたらと思います!いつもありがとうございます( ˊᵕˋ ) (2022年1月1日 16時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 大正時代の煉獄さんの心の動きが、はっきり分かりますね!今後、惚れていく訳ですから、読み返すと、更に煉獄さんの辛さが際立ってしまうのでしょうね。今から泣けそう。 (2021年12月31日 19時) (レス) @page34 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 前回コメントしてから時間無く、今日15話。うっわ〜、苦しい。煉獄さんの心情を慮ると、涙。愛を誓った人に知らない人扱いされる絶望感。怖いでしょうに、それでも前を向いて、進もうとするのですね。 (2021年12月31日 19時) (レス) @page15 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2021年12月13日 19時

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